【図解でわかる】宅建で学ぶ建築基準法の出題範囲まとめ

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はじめに

宅建試験では、全50問のうち建築基準法から2〜3問が出題されます。
数は少ないですが、毎年ほぼ必ず出題される重要分野です。

この記事では、建築学生にもわかりやすいように、
「建築基準法 × 宅建試験」の出題範囲を図と表で整理して解説します。

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プロフィール

建築学科の大学生
「学生証だけじゃつまらない、人と違う身分証明書が欲しい」
そんな理由で宅建を取りました。
建築と不動産、法律や土地のことを知る中で、モノの見え方が少し変わった気がします。
このブログでは、建築学生として宅建を学んだ経験や考えたことを、ゆるく発信していきます。

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🏙 建築基準法の全体構造

まずは全体像をざっくりつかみましょう👇

建築基準法の目的:
「国民の生命・健康・財産の保護」と「公共の福祉の増進」

├ 第1章 総則(定義など)
├ 第2章 建築物の敷地・構造・設備・用途に関する規定
│ ├ 敷地・構造・設備の基準(接道義務など)
│ ├ 用途制限(用途地域ごとの建物制限)
│ ├ 建ぺい率・容積率・高さ制限
│ └ 防火・避難・採光など
├ 第3章 建築物の建築手続き(確認申請など)
├ 第4章 建築審査会
└ 第5章 罰則

宅建で出るのはこの中でも👇

  • 第2章(建築物の制限関係)
  • 第3章(建築確認)
    に集中しています。

📗 宅建で出る建築基準法の分野と頻出ポイント

分野出題頻度内容覚えるコツ
① 用途地域による建築制限★★★★★どの地域にどんな建物が建てられるか「住居系=静か、商業系=にぎやか」で整理
② 建ぺい率・容積率★★★★★敷地面積に対する建築面積・延床面積の制限「数字の意味」を図で覚える
③ 接道義務★★★★☆幅員4m以上の道路に2m以上接する「建てられない土地」を見分ける感覚
④ 高さ・日影制限★★★☆☆低層住居地域などでの高さ制限「高さ=日照環境を守るため」と理解
⑤ 防火地域・準防火地域★★★☆☆耐火・準耐火建築物の義務用途地域とセットで暗記
⑥ 建築確認・検査済証★★★★☆建築する前に許可が必要「確認→着工→完了」の流れで整理

🧱 図で理解する建ぺい率と容積率

1. 建ぺい率(建築面積 ÷ 敷地面積)

敷地の何%まで建物を建てていいか
┌──────────────┐
│■■■■■建築面積■■■■■│ ← 建ぺい率 = 60%なら敷地の6割までOK
└──────────────┘

💡ポイント

  • 建ぺい率 = 建物の「広がり」を制限する
  • 例:敷地100㎡、建ぺい率60% → 建築面積は最大60㎡まで

2. 容積率(延べ床面積 ÷ 敷地面積)

敷地に対して建物を何階まで積めるか
   ↑
 ┌───────────┐ 3階:延べ床30㎡
 │■■■■■■■■■■■■■│
 │■■■■■■■■■■■■■│ 2階:延べ床30㎡
 │■■■■■■■■■■■■■│ 1階:延べ床30㎡
 └───────────┘
   敷地:100㎡

💡ポイント

  • 容積率 = 建物の「高さ方向のボリューム」
  • 例:敷地100㎡、容積率200% → 延べ床200㎡まで

🏘 用途地域の分類を図で覚える

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  住宅系地域(静か・暮らし中心)
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第1種低層住居専用地域 … 低層住宅だけ
第2種低層住居専用地域 … 小規模店舗OK
第1種中高層住居専用地域 … マンション中心
第2種中高層住居専用地域 … 商業施設も可
第1種住居地域 … 生活関連施設もOK
第2種住居地域 … 小規模店舗・事務所OK
──────────────────────────
  商業系地域(にぎやか)
──────────────────────────
近隣商業地域 … 住宅と商業が混在
商業地域 … 百貨店・オフィスビルなど可
──────────────────────────
  工業系地域(ものづくり中心)
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準工業地域 … 住宅も一部可
工業地域 … 工場OK・住宅NGあり
工業専用地域 … 住宅NG
──────────────────────────

💡ポイント

  • 「静かな住宅地ほど建物制限が厳しい」
  • 「商業・工業系になるほど自由度が高い」

🛣 接道義務の図解

道路に接していない土地では原則建築不可!

     建築可能
  ┌──────────────┐
  │建物│    道路(4m以上) │
  └──┬──────────┘
     ↑ 接道2m以上が必要

     建築不可(接道不足)
  ┌──────────────┐
  │建物│←1mしか接していない
  └──┬──────────┘

💡ポイント
接道義務:

建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない。


🔥 防火地域・準防火地域

地域主な制限対応する建築物
防火地域火災の危険が特に大きい場所耐火建築物のみ可
準防火地域火災の危険が比較的高い場所準耐火建築物OK(木造でも条件付)

💡都市中心部や駅前は「防火地域」に指定されることが多い。


✅ 建築確認と検査の流れ

① 建築計画(設計完了)
  ↓
② 建築確認申請
  ↓
③ 確認済証が交付されてから着工
  ↓
④ 工事完了後、完了検査
  ↓
⑤ 検査済証の交付(ここで建物が“法的に完成”)

💡ポイント
「確認済証がない建築」は違法建築になる。
宅建でも、未検査建物の取引時には注意が必要。


🧩 まとめ:宅建で学ぶ建築基準法は“設計の基礎”

学ぶ視点宅建での意味建築での活用
用途地域建築可能な用途の判定設計コンセプト設定
建ぺい率・容積率数字で建築制限を理解敷地に合う規模計画
接道義務建築可否の判断敷地調査・配置計画
防火地域構造の選定耐火・防火設計
建築確認手続きの理解実務への橋渡し

💬 最後に

宅建で扱う建築基準法は、「試験用の暗記」ではなく、
実務で役立つ“敷地・法規の思考法”を学ぶ機会です。

設計・都市計画・不動産開発のどの分野に進むとしても、
建築基準法の理解なしに建築は語れません。

宅建を通して、
「法を読む力」×「設計する力」=本当の建築的思考
を身につけていきましょう。

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