「建物の見積、なんでこんなに高いの?」
その疑問、ほぼ正解です。
日本の建築業界では、工事費のかなりの割合が
“現場ではなく中間層”で消えている構造があります。
この記事では、
✅ 中間マージンは本当に“闇”なのか
✅ どこでお金が抜かれているのか
✅ この構造が続く理由
✅ 変わらない本当の理由
を、建築×不動産の視点で解説します。
そもそも「中間マージン」とは何か?
中間マージンとは簡単に言うと、
「実際に手を動かさない会社に支払われるお金」
のことです。
構造はこうなっています:
発注者
↓
元請(ゼネコン)
↓
一次下請
↓
二次下請
↓
三次下請
↓
職人(実作業)
【衝撃】どれくらい抜かれているのか?
あくまで業界内の一般的な目安ですが、こう言われています。
| 層 | 取られる割合(目安) |
|---|---|
| 元請 | 10〜20% |
| 一次下請 | 5〜15% |
| 二次下請 | 5〜10% |
| 三次下請 | 5〜10% |
つまり、
最終的に職人に届くのは全体金額の「6〜7割以下」
という現象が起きています。
なぜこんな構造が生まれたのか?
これは単なる悪ではなく、歴史的な背景があります。
戦後日本の「効率化モデル」
戦後の日本はとにかく早く大量に建てる必要があったため、
- ゼネコンにリスク管理を集約
- 下請構造で作業を分業化
というモデルが非常に合理的だったのです。
当時は:
✅ 人が豊富
✅ 工事が多い
✅ 単価が安定
していたため問題化しませんでした。
しかし現在は「歪み」しか残っていない
問題はここです。
当時は合理的だった仕組みが、
今では完全に時代と合わなくなっています。
現在の実態:
- 人手不足
- 賃金上昇
- 複雑化する建築技術
- 責任の所在の曖昧化
にもかかわらず、
構造だけが昔のまま
という“ゾンビシステム”になっています。
実際に何が問題なのか?
最大の問題は3つです。
① 現場にお金が落ちない
職人の手取りが増えず
- 若者が入らない
- 技術継承が進まない
という悪循環を生んでいます。
② 責任の所在が曖昧になる
欠陥・不具合の責任が
「うちは施工しただけです」
「指示通りにやりました」
と分断されやすくなります。
③ 発注者は“何に払っているか分からない”
見積書はこうなりがちです:
- 一式
- 諸経費
- 管理費
- 共通仮設費
ブラックボックス化しています。
実は“裏側が一番ヤバい”のは公共工事
意外かもしれませんが、
公共工事ほど構造が固定化されています。
理由:
- 入札制度
- 指名競争
- 実績重視
- 政治との距離の近さ
により、
✅ 新規参入がほぼ不可能
✅ 価格競争が起きにくい
という閉じた世界になっています。
それでもこの構造が壊れない理由
答えはシンプルです。
壊すと業界が止まるから
- ゼネコンが責任を取っている
- 資金繰りを回している
- 現場トラブルを処理している
という「機能」も実際は存在しています。
つまり、
闇ではあるがインフラでもある
という矛盾した状態なのです。
実は世界では構造がシンプルになっている
海外では既に変化が始まっています。
| 国 | 主流モデル |
|---|---|
| アメリカ | CM方式(施工管理会社分離) |
| 欧州 | デザインビルド方式 |
| オーストラリア | 発注者直発注型 |
日本だけが昭和モデルを延命している状態です。
このままだと何が起きる?
未来予測はかなり現実的です。
- 工事費がさらに高騰
- 職人の高齢化で担い手消滅
- 若者が業界を避ける
- 建物の質の低下
まとめ|「抜いている」のではなく「吸い取られる構造」
単純に
「誰かが悪い」
というより、
❌ 誰かが抜いている
⭕ 抜かざるを得ない構造
が固定化されてしまった。
これが中間マージン問題の本質です。

コメント