「最近、建築コストが異常に高い…」
それ、日本だけの話ではありません。
結論から言うと、建設費の高騰は**先進国・新興国を問わず“世界共通の現象”**です。
むしろ日本は「遅れて値上がりが顕在化した国」に近いポジションにあります。
この記事では、
✅ 建設費高騰は日本だけの話か?
✅ 世界で何が起きているのか?
✅ なぜここまで高騰してしまったのか?
この3点を、建築×不動産の視点で徹底解説します。
結論:建設費の高騰は「世界的な構造問題」
まず結論です。
建設費の高騰は日本だけではなく、世界規模で発生しています。
特に高騰が顕著なのは、
- アメリカ
- イギリス
- ドイツ
- 中国
- オーストラリア
などの主要国です。
日本だけが異常なのではなく、
「これまで安く建てられてしまっていた国の幻想」が崩れ始めたと見る方が正確です。
世界で何が起きているのか?
アメリカの場合
- 木材価格が一時「2〜4倍」に高騰
- セメント・骨材の価格上昇
- 職人不足による人件費高騰
ヨーロッパの場合
- ロシア・ウクライナ戦争による資材価格上昇
- 環境規制強化で施工方法が高コスト化
- 炭素税の影響
中国の場合
- 急速な都市開発の反動
- 建設バブル崩壊 → 供給調整
- 鉄鋼の国内優先政策
世界的に、
「モノはあるが、安くは作れない」
時代に突入しています。
建設費はなぜここまで上がっているのか?
理由は単純な一点ではなく、複数の構造要因が重なっています。
① 資材価格の高騰
特に影響が大きいのが以下の材料です。
- 鉄鋼(鉄骨・鉄筋)
- セメント
- 木材(構造用集成材・合板)
- ガラス
原因は:
- 世界的な需要増
- エネルギー価格の上昇
- 為替変動(円安)
② 人手不足と賃金上昇
日本だけでなく世界的に、
「職人の担い手不足」→「単価上昇」
が起きています。
特に問題なのが:
- 型枠大工
- 鉄筋工
- 溶接工
- 施工管理技術者
ロボットでは代替できない分野ほど高騰しています。
③ 環境規制が建築を“高級品化”している
脱炭素政策により、
- 断熱性能の強化
- 高性能設備の義務化
- ZEB・ZEH基準の導入
が進みました。
結果として、
「普通に建てようとするだけで高性能建築になる」
=コストアップ
という現象が起きています。
④ ウクライナ戦争とサプライチェーン分断
意外と大きいのがこれです。
- 鉄鋼
- アルミ
- エネルギー
これらの供給元が分断されたことで、
物流コスト+リスクコストが建設費に上乗せされました。
⑤ 日本特有の問題「発注構造」
日本は世界でも珍しい構造を持っています。
- 多重下請け構造
- 元請け・一次・二次・三次請け…
これにより
✅ 中間マージンが膨らむ
✅ 責任の所在が曖昧になる
✅ 無駄な管理コストが増える
という問題が慢性化しています。
「建てられない時代」が本格化する
現在、世界では次のような現象が広がっています。
- 計画はあるが予算が合わない
- 再開発が凍結
- 建設延期
- 発注キャンセル
これは一時的な不況ではなく、
「安く・大量に・早く建てられる時代の終わり」
を意味しています。
なぜこの問題が“あまり報道されない”のか
理由は単純です。
- 不動産市場の冷え込みを恐れている
- 公共事業への批判が強まる
- 政治的に扱いづらいテーマ
しかし裏側では、
✅ 学校建て替え延期
✅ 庁舎計画の縮小
✅ 民間再開発の中止
が相次いでいます。
今後どうなる?建設費の未来予測
短期的には一部緩和しますが、
長期的には高止まりがほぼ確実です。
理由:
- 職人人口は減り続ける
- 脱炭素規制はさらに強化される
- 都市再編需要はなくならない
まとめ:これは異常ではなく「新しい常識」
もはやこれは
「高すぎる」のではなく
「これが普通の時代」
に移行したと考えたほうが現実的です。

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