緑が充実・目黒川沿いが変わる開発ーブランズタワー大崎

マンション

まず前提として本件は、東五反田二丁目第3地区の第一種市街地再開発事業の住宅棟で、公園・住宅棟・業務棟を一体整備する計画です。街区名は「大崎リバーウォークガーデン」、コンセプトは「ボーダレススタイル」とされ、目黒川沿いの遊歩道と公園を“街区全体の庭”として使う思想が明示されています。
住宅棟は
地上40階・地下1階、約150m規模で、設計は竹中工務店・RIA、施工は竹中工務店、デザインにはホシノアーキテクツが参画しています。


  1. 1) 建築の視点:外装(意匠・構造・環境性能・設備・外構・施工・維持管理)
    1. ① 意匠|「Fountain(噴水)」を外観モチーフにした“有機的タワー”
    2. ② 構造|再開発タワーとしての“王道の信頼”を取りにいく布陣
    3. ③ 環境性能|ZEH-M Oriented × 緑化=「都心タワーの弱点(暑さ・熱)を設計で薄める」
    4. ④ 設備|“共用で暮らし方を広げる”設計(=住戸面積の限界を補う)
    5. ⑤ 外構|目黒川×再開発の「公開空地」を“回遊”に変換
    6. ⑥ 施工|“曲面っぽさ”が増えるほど難易度が上がる
    7. ⑦ 維持管理|緑化・共用充実は「管理の腕」が資産価値に直結
  2. 2) 建築の視点:内装(意匠・構造・環境性能・特色設備・維持管理)
    1. ① 意匠|“バイオフィリック(緑×有機曲線)”を屋内にも持ち込む
    2. ② 構造|内装で差が出るのは“揺れ・音・温熱”の処理
    3. ③ 環境性能|「断熱×設備×運用」で“冬の快適性”が効く
    4. ④ 特色ある設備|共用側で暮らしの幅を作る
    5. ⑤ 維持管理|共用が多い=管理費の納得感が必要
  3. 3) 不動産の視点(立地・経済性・時間・開発会社+施工会社)
    1. ① 立地|「大崎×五反田の中間」=通勤利便+目黒川の希少性
    2. ② 経済性|価格は強気になりやすいが、根拠(再開発×駅力)がある
    3. ③ 時間的要素|「大崎の供給間隔」と「品川方面の伸びしろ」
    4. ④ 開発会社(デベ)|東急不動産=「環境先進」をブランド中核に置く
    5. ⑤ 施工会社(ゼネコン)|竹中工務店=超高層×高難度の実績蓄積
  4. 強み
  5. 弱み(注意点)
    1. ■ 公式資料・一次情報
    2. ■ 不動産ポータル・市場情報
    3. ■ 施工会社実績参考

1) 建築の視点:外装(意匠・構造・環境性能・設備・外構・施工・維持管理)

① 意匠|「Fountain(噴水)」を外観モチーフにした“有機的タワー”

外観CGを見ると、四角い箱ではなく、立面に縦方向のうねり/段状の陰影がつくられています。頂上にもループ状の構造物が見えます。これは公式が「Fountain(湧き上がる水の柱)」を外観モチーフにしている点と一致します。噴水の縦性、水が吹き上がって落ちる様子を表しています。

  • 直線だけのタワーよりも“硬さ”が薄れ、目黒川沿いの景観に馴染みやすい
  • バルコニーや庇の陰影が増え、高層でものっぺりしにくい(夜景も輪郭が出やすい)

上部の構造物はおそらくプレキャストで仕上げるでしょう。都心の中の自然を感じます。

② 構造|再開発タワーとしての“王道の信頼”を取りにいく布陣


実施設計・施工が竹中工務店で、再開発の住宅棟(40階・約150m)を担います。

  • 超高層の施工・品質管理はゼネコンの“型”が出る領域で、設計施工の一体感が品質に寄与しやすい
    (※免震・制振などの方式は不明だがおそらく制震)

③ 環境性能|ZEH-M Oriented × 緑化=「都心タワーの弱点(暑さ・熱)を設計で薄める」

公式にZEH-M Oriented認定取得が明記されています。
また、壁面・屋上・屋内共用部の緑化(遮熱・ヒートアイランド緩和、CO2削減の考え方)も示されています。

エントランス周りや共用ラウンジに植栽が“インテリアの一部”として入り込む描写が多いです

  • 視覚的な“緑”が多いほど、体感としてリラックス・滞在性が上がりやすい
  • 夏季の熱負荷を抑える思想(緑化+断熱+高効率設備)と整合
  • 都心の熱問題(ヒートアイランド現象など)の緩和

④ 設備|“共用で暮らし方を広げる”設計(=住戸面積の限界を補う)

公式のデザインページには、ウッドデッキテラス/グランピングテラス/マルチラウンジ/ミュージックラウンジ等、用途の異なる共用空間が並びます。

ウッドデッキテラスCGは、室内の延長として“外の居場所”を作り、目黒川沿いの季節感(桜)を強く取り込む発想です。

  • 住戸が2LDK〜3LDK中心でも、共用が「第2のリビング」になり、生活の選択肢が増える
  • テレワーク・趣味(音楽/映像/アウトドア)をマンション内で完結させやすい

⑤ 外構|目黒川×再開発の「公開空地」を“回遊”に変換

再開発は公園・住宅・業務が一体で、目黒川沿いの散策路も魅力として挙げられています。
外構CGは、建物際に緑を厚く置きつつ、動線が“抜ける”構図が多い。縦に三本、川沿いに一本動線ができています。これにより

  • 再開発にありがちな「敷地は立派だが歩きにくい」を避け、日常の回遊(散歩・帰宅動線)を作りやすい
  • 動線の整理によって人の流れが固定され、広場の役割を明確化できる

広場は三つあり、特にセントラル広場は建物に囲まれた閉じた広場となっています

⑥ 施工|“曲面っぽさ”が増えるほど難易度が上がる

Fountainモチーフの有機的外形は、直方体よりも

  • 取り合い(防水・納まり)
  • 立面精度(ガラス/手摺/外装材)
    の要求が上がります。公式も「品質とデザイン性の両立」を前面に出しています。

⑦ 維持管理|緑化・共用充実は「管理の腕」が資産価値に直結

緑化や多用途共用は魅力ですが、同時に

  • 植栽の維持
  • 共用の利用ルール
  • 修繕計画の説得力
    が弱いと、価値が落ちやすい領域です。

2) 建築の視点:内装(意匠・構造・環境性能・特色設備・維持管理)

① 意匠|“バイオフィリック(緑×有機曲線)”を屋内にも持ち込む

公式が「バイオフィリックなデザイン」を掲げ、ラウンジCGも曲線天井・植栽・やわらかい素材感が強いです。
共用部の滞在が増え、マンション全体の“居場所”が増える(=満足度の源泉)。

② 構造|内装で差が出るのは“揺れ・音・温熱”の処理

タワーは、内装材そのものより

  • 揺れの感じ方(家具配置・天井/間仕切りの納まり)
  • 遮音(サッシ・床・配管)
    で評価が割れます。ZEH-Mは断熱・設備効率の思想と繋がります。

③ 環境性能|「断熱×設備×運用」で“冬の快適性”が効く

ZEH-M Orientedは、快適性と省エネの両立が主旨です。
外気温が低い日でも室温が崩れにくく、結果的に“体感の上質さ”が出やすい。

④ 特色ある設備|共用側で暮らしの幅を作る

音楽・映像・アウトドア寄りの共用は、港区湾岸の“眺望ラウンジ一発勝負”とは性格が違います。
家族構成が変わっても使い道が残りやすい(時間耐久性が上がる)。

⑤ 維持管理|共用が多い=管理費の納得感が必要

共用が豊富だと「良い/悪い」ではなく、
“その共用をあなたが使うか”で評価が割れます。使わない人にはコストに見えます。今回は広場も広いため、その使い方が人を選びます。


3) 不動産の視点(立地・経済性・時間・開発会社+施工会社)

① 立地|「大崎×五反田の中間」=通勤利便+目黒川の希少性

JR大崎徒歩5分・五反田徒歩7分、2駅利用が強みとして打ち出されています。
さらに再開発1.6ha規模で公園も併設という“街の器”が付く。

周辺類似物件の動向(比較の軸)
大崎周辺には、

  • 大崎ウエストシティタワーズ(地上39階・全1084戸)
  • パークシティ大崎 ザ タワー(地上40階・734戸、2015年竣工)
    のような“先行タワー”があります。
    この環境でブランズタワー大崎は、築年の新しさ+再開発(公園・業務棟)を同時に持つ点で差別化します。

そしてここは準工業地域である点に注意です。土地の価格的にあり得ませんが小さな工場を建てれる地域であることを理解しておく必要があります。ふつうは商業地域が多いですので特殊です。

② 経済性|価格は強気になりやすいが、根拠(再開発×駅力)がある

SUUMO掲載では販売価格帯が提示されています(例:1億7400万円〜)。
ただし本件は権利者住戸を含む総戸数構成で、SUUMOでは389戸(権利者住戸149戸含む)と掲載されています。

  • 初期の市場流通(転売・賃貸)に権利者住戸が出てくる可能性があり、需給の揺れが起こり得る
  • 一方で再開発は街の更新を伴うため、エリアの地力が上がる局面も作りやすい

③ 時間的要素|「大崎の供給間隔」と「品川方面の伸びしろ」

東急不動産のリリースでは、大崎駅最寄りのタワーマンション供給が久しぶりである旨が示されています。
また品川駅周辺の再開発進行にも触れられています。

短期の相場よりも、都心南部の都市軸(TOKYO SOUTH)としての中長期評価を狙うタイプです。

④ 開発会社(デベ)|東急不動産=「環境先進」をブランド中核に置く

本件はBRANZのフラッグシップとして「環境先進」を掲げています。
ZEH-M Oriented、緑化、再エネ活用など“メニュー化された環境施策”が特徴です。

⑤ 施工会社(ゼネコン)|竹中工務店=超高層×高難度の実績蓄積

本件の施工は竹中工務店です。
実績の参照例として、竹中工務店は虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワーなど超高層レジデンスを手掛けています。
また超高層RC技術の文脈では、同社設計施工の「パークシティ武蔵小杉」が国際的なコンクリート賞を受賞した事例もあります。

  • 本件のように“意匠が効いたタワー”は施工精度が価値そのものになりやすく、施工力が資産性の下支えになり得ます。

4) 総合評価:強みと弱み

強み

  1. 目黒川×公園×再開発1.6haという「街の器」が付く
  2. 外観がFountainモチーフで、タワーの弱点(無機質さ)を消しにいっている
  3. ZEH-M Oriented+緑化で、快適性と環境価値を“説明できる”
  4. 施工が竹中工務店、設計も共同体で、品質側の説得力が強い

弱み(注意点)

  1. 共用が豊富=管理費と運用ルールの良し悪しが満足度を左右
  2. 権利者住戸を含む構成のため、時期によっては中古・賃貸の供給が増える局面があり得る
  3. 有機的外形は魅力だが、直方体より施工難度が上がるため、完成品質の当たり外れが価値に直結(内覧・竣工後評価が重要)

📚 参考文献

※本記事は、公式発表資料および信頼できる不動産ポータル情報を基に作成しています。


■ 公式資料・一次情報

  1. 東急不動産ホールディングス株式会社 プレスリリース
     「ブランズタワー大崎」東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業
     (街区構成・規模・設計施工・公園一体整備・目黒川沿い計画)
     https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/news/companies/pdf/976a5d2e77aade7bb5e7df367593d8770782984c.pdf
  2. ブランズタワー大崎 公式サイト(デザイン)
     外観コンセプト「Fountain」、共用空間計画
     https://sumai.tokyu-land.co.jp/branz/osaki/design/
  3. ブランズタワー大崎 公式サイト(ブランド・環境性能)
     ZEH-M Oriented、緑化、環境配慮設計
     https://sumai.tokyu-land.co.jp/branz/osaki/brand/
  4. 東急不動産ホールディングス 事業概要資料
     設計・施工:竹中工務店、街区全体構成
     https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/news/companies/pdf/ee8a565238b8c7e93016d1d3fd3e5fc2b10fe6f4.pdf

■ 不動産ポータル・市場情報

  1. SUUMO 新築マンション情報 – ブランズタワー大崎
     価格帯、総戸数構成(権利者住戸含む)
     https://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_shinagawa/nc_67727670/
  2. 大崎ウエストシティタワーズ 物件概要(比較対象)
     https://osaki-west-ctw.mansion-press.com/
  3. パークシティ大崎 ザ タワー 物件概要(比較対象)
     https://www.31mansion.com/parkcity_osaki_thetower/mansion/outline/

■ 施工会社実績参考

  1. 竹中工務店 超高層レジデンス実績(虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー等)
     https://www.takenaka.co.jp/majorworks/
  2. 竹中工務店 超高層RC技術関連資料
     https://www.takenaka.co.jp/news/

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