ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズは「隈研吾建築の弱点」が出るのか

建築物・建築計画

施工性・木材耐久性を建築目線で検証

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武蔵小杉の再開発エリアに建設された
The Parkhouse Musashi-Kosugi Towers は、隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修に関わったタワーマンションとして注目されている。

近年、隈研吾建築については
「施工が難しい」「木材が腐りやすい」
といった議論が一般メディアでも取り上げられることが増えている。本記事では、このマンションにおいてそれらの問題がどの程度当てはまるのかを、建築に詳しくない人でも分かるよう整理する。


1. 計画の背景:武蔵小杉再開発の中での位置づけ

武蔵小杉は2000年代以降、工場跡地を中心に大規模な再開発が進められ、

  • JR・東急の交通結節点
  • 東京・横浜双方への高いアクセス性
  • 大規模住宅需要

を背景に、首都圏でも有数のタワーマンション集積地となった。

ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズはその中でも、

  • 商業施設
  • 住宅
  • 業務機能

を一体化した複合再開発街区の住宅部分として整備されたプロジェクトであり、都市計画的には駅前高度利用型再開発の典型例といえる。


2. 建築デザインの特徴

本マンションの外観は、一般的なガラス主体のタワーマンションとは異なり、

  • 縦方向に強調されたルーバー
  • 木質感を想起させる色調
  • 陰影をつくる分節化デザイン

が特徴となっている。

これは隈研吾建築に共通する
巨大建築のスケールを細分化し、人間的な印象を与える設計手法
によるものである。

また低層部では、歩行者動線や商業施設と連続する構成となり、単体建築ではなく「街区建築」として設計されている点も特徴である。


3. 隈研吾建築で議論される2つの問題

(1) 施工が難しいデザイン

公共建築などでは、

  • 部材形状が複雑
  • 特注部材が多い
  • 現場加工が増える

といった理由で施工難度が高くなるケースがある。

(2) 木材劣化の問題

外装に天然木を多用する建築では、

  • 雨掛かりによる腐朽
  • 紫外線劣化
  • 維持管理費増大

などが議論されることがある。


4. 本物件ではどう処理されているか

(1) 施工性はタワーマンション標準に近い

ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズでは、

  • 反復モジュールによる外装設計
  • プレキャスト化・ユニット化しやすい寸法
  • 超高層住宅標準工法

が採用されていると考えられ、特殊公共建築のような極端に難しい施工ディテールではない。

つまり、デザインは隈研吾的でも、施工システムは一般的タワーマンションに近い合理設計となっている。


(2) 木材劣化リスクは限定的

このマンションでは、

  • 外装の主材料は金属・パネル系
  • 木質意匠はアクセント用途
  • 耐候処理材や木調材の使用

といった構成となっており、天然木を大量に露出させる建築よりも腐朽リスクは低い。

さらにタワーマンションは、

  • 長期修繕計画が義務的に設定される
  • 外装部材の交換を前提とする設計

であるため、維持管理面でも合理的な構成になっている。


5. 都市・不動産的な意味

このプロジェクトは単なる住宅ではなく、

  • 駅前再開発のブランド形成
  • 建築家デザインによる差別化
  • 高付加価値住宅市場の形成

といった不動産戦略の一環として位置づけられる。

近年の再開発では、有名建築家のデザイン監修を取り入れることで、

  • 分譲時のブランド価値向上
  • 中古市場での差別化
  • エリアイメージ向上

を図るケースが増えており、本マンションもその代表的事例の一つである。


6. まとめ

ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズは、

  • 隈研吾らしい木質感を表現した外観
  • しかし施工は合理化されたタワマン標準仕様
  • 木材劣化リスクは比較的低い構成

という特徴を持つ。

したがって、本事例は
「施工が難しく木材が傷みやすい隈建築」ではなく、
デザインブランドを再開発住宅に最適化した合理型隈研吾プロジェクト

と評価できる。

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参考文献

  • 川崎市都市計画資料(武蔵小杉駅周辺地区再開発関連資料)
  • 三菱地所レジデンス 分譲資料・公式リリース
  • 日本建築学会:超高層集合住宅の外装設計に関する研究
  • 日経アーキテクチュア:都市再開発における建築家デザイン監修事例
  • 各種不動産マーケットレポート(武蔵小杉住宅市場分析)

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