「建築学科4年間、何を学んだのか分からない。」
「社会に出てから、ほぼ全部やり直しだった。」
これは決して一部の不満ではありません。
日本の建築教育は今、世界レベルで見てもかなり歪んだ構造になっています。
この記事では、
✅ 日本の建築教育の何が問題なのか
✅ なぜ変わらないのか
✅ 海外との決定的な違い
✅ このままだと何が起きるのか
を、冷静かつ本音ベースで分析します。
結論:日本の建築教育は「設計偏重」で現実から乖離している
まず結論です。
日本の建築教育の最大の問題は、
「かっこいい建築」を描く訓練はするのに
「建てる現実」を教えていないこと
です。
大学で多いカリキュラムは、
- デザインスタジオ
- コンセプトワーク
- 抽象的な空間論
- 形態操作
ばかりで、
❌ 施工管理
❌ 原価管理
❌ 法規処理
❌ 事業性
❌ 契約構造
が軽視されています。
① 設計教育が“自己満足型アート”に近い
多くの建築学生はこう育てられます。
「唯一無二のコンセプトをつくれ」
「強いコンセプトを言語化しろ」
「図面は“思想”を表現しろ」
しかし実務では、
- 工期
- 予算
- クレーム
- 近隣対応
が重要です。
大学と現場の価値観は真逆なのです。
② 法規を「暗記科目」だと誤解させている
日本の建築教育では建築基準法を
「試験のための暗記」
として教えがちです。
本来の法規は:
✅ 人命を守る
✅ 近隣を守る
✅ 都市の秩序を守る
ための“設計ツール”なのに、
「覚えて終わり」にされています。
③ 一級建築士試験と教育内容が噛み合っていない
矛盾の代表格がこれです。
- 大学:デザイン力重視
- 試験:知識詰め込み型
- 実務:調整力・現実感覚
この三つがバラバラです。
結果:
「大学 → 試験 → 実務」の間に
深い断絶が生じます。
④ 「建築=設計士」という誤った刷り込み
学生にこう思わせてしまっています。
「建築学科=設計者になる学科」
しかし現実の業界構造は:
| 進路 | 割合(体感) |
|---|---|
| ゼネコン | 多い |
| ハウスメーカー | 多い |
| 設備会社 | 多い |
| 施工管理 | 多い |
| 純設計職 | 少数 |
にも関わらず教育は“設計者養成用”に設計されています。
⑤ 海外との決定的な違い
海外の建築教育はかなり実務寄りです。
アメリカ
- 施工スタジオ
- デザインビルド型課題
- 発注者との想定交渉
ヨーロッパ
- 都市経営
- 環境シミュレーション
- コスト設計
日本
- 抽象コンセプト
- 模型美学
- 審査員ウケ重視
と言われることもあります。
⑥ 大学の評価制度が変革を阻んでいる
なぜ変わらないのか?
理由はシンプルです。
- 教員の多くは「建物のプロ」であって「現場のプロ」ではない
- 実務を離れて長い人が多い(そうでない人もいる)
- 実務改革をすると自分たちの教育否定になる
という構造があります。
このままだとどうなるのか?
現実的な未来はこうです。
- 若者が業界を去る
- 設計者が育たない
- 施工管理が不足
- 海外企業に仕事を取られる
それでも日本の建築教育が持つ“強み”
完全に否定したいわけではありません。
日本の建築教育は:
✅ 空間感覚
✅ 繊細なディテール観
✅ 美意識
✅ 図面リテラシー
は世界トップクラスです。
問題はバランスです。
まとめ|「レベルが低い」わけではない
日本の建築教育は
❌ ダメな教育
ではなく
⭕ 時代に合っていない教育
になってしまっているだけです。


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