日本の導入事例で読み解く「次世代公共交通」の正体



はじめに|「横文字の新交通」、正直わかりにくくない?
最近よく聞く
- LRT
- BRT
- SRT
これらはすべて「新しい公共交通」として語られますが、
役割も思想も、実はまったく違います。
この記事では👇
- 何がどう違うのか
- どんな都市に向いているのか
- 日本ではどう使われているのか
を実際の導入都市と一緒に、やさしく解説します。
まず結論|3つの違いは「都市との関係」
最初に超シンプルな結論です。
| 種類 | 一言でいうと |
|---|---|
| LRT | 都市の骨格を作り直す交通 |
| BRT | 鉄道の代わりになるバス |
| SRT | 都市の使い方を変える実験装置 |
この視点を持つと、違いが一気に見えてきます。
① LRTとは?|街の構造を変える「地上の鉄道」
LRT(Light Rail Transit)
= 次世代型の路面電車


特徴
- レールを敷く
- 電車並みの輸送力
- 定時性が高い
- 建設費は高い
👉 鉄道にかなり近い存在
🇯🇵 日本の代表例:宇都宮市(芳賀・宇都宮LRT)
なぜ導入された?
- 車依存が強すぎた
- 渋滞・高齢化・中心市街地衰退
- 「街の構造そのものを変えたい」
都市への影響
- バス路線を再編
- LRT沿線に人と投資が集まる
- 都市の軸が再定義された
👉 LRTは「覚悟を決めた都市」が選ぶ交通
② BRTとは?|鉄道の代役を担う「最強バス」
BRT(Bus Rapid Transit)
= バス版・簡易鉄道


特徴
- 専用道・専用レーン
- 信号優先
- 定時性が高い
- レール不要
👉 「バスだけど、ほぼ鉄道」
🇯🇵 日本の代表例:三陸地域(気仙沼線・大船渡線BRT)
なぜ導入された?
- 東日本大震災で鉄道が被災
- 鉄道復旧は困難
- でも「確実な足」が必要
都市への影響
- 生活交通を安定確保
- 定時性は鉄道並み
- 景観・賑わいより機能最優先
👉 BRTは「生活を守る交通」
③ SRTとは?|都市を試しながら変える「実験型交通」
SRT(Smart Roadway Transit)
= 交通 × 都市デザイン × デジタル



特徴
- 連節バスを使用
- 専用道なし(一般道)
- 停留所を「居場所」として設計
- 実験 → 改善 → 拡張が前提
👉 交通というより都市装置
🇯🇵 日本の代表例:名古屋市(SRT)
なぜ導入された?
- 名駅と栄が近いのに回遊しにくい
- 地下鉄は便利だが地上が寂しい
- 「まず試したい」
都市への狙い
- 歩行者回遊の促進
- 滞留空間の創出
- 都市の使い方を再編集
👉 SRTは「都市をアップデートする手段」
一目でわかる比較表
| 項目 | LRT | BRT | SRT |
|---|---|---|---|
| 主役 | 鉄道 | バス | 都市 |
| 専用軌道 | あり | あり | なし |
| 投資規模 | 大 | 中 | 小 |
| 定時性 | ◎ | ◎ | △ |
| 実験性 | × | △ | ◎ |
| 都市デザイン | ○ | △ | ◎ |
| 日本の代表 | 宇都宮 | 三陸 | 名古屋 |
決定的な違いを一言で言うと
- LRT:街の骨格を「作り替える」
- BRT:鉄道の機能を「置き換える」
- SRT:街の使い方を「試しながら変える」
どの都市にどれが向いている?
- 人口が多く、覚悟がある → LRT
- 生活交通を確実に守りたい → BRT
- 都心を柔らかく更新したい → SRT
まとめ|SRTが注目される本当の理由
日本ではこれまで、
- 重い投資(LRT)
- 機能特化(BRT)
の二択が中心でした。
SRTはその間にある
「軽くて、試せて、都市に効く」選択肢。
だから今、名古屋のSRTは
全国の自治体から注視されているのです。
参考文献
- 国土交通省「LRT・BRTに関する資料」
- 宇都宮市 芳賀・宇都宮LRT公式資料
- JR東日本「BRTのご案内」
- 名古屋市「新たな路面公共交通システムSRT」
- Impress Watch/Travel Watch 各種報道

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