東京ミッドタウン日本橋とは?首都高地下化と「日本橋リバーウォーク」から読み解く

都市・再開発

日本橋の中央通り沿いに、高さ284mの超高層タワーが完成しようとしています。「東京ミッドタウン日本橋」(日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業)です。2026年9月末竣工、2027年秋グランドオープン予定。

ただ、この開発を「また超高層が建つ」と読むと本質を見誤ります。この再開発は、日本橋川の上を覆う首都高が撤去された後の街を先取りするために計画されているからです。

地図:OpenStreetMap/位置は概略です。日本橋川のラインと首都高地下化区間は模式的に表示しています。

なぜ今、日本橋で大規模開発が必要なのか

理由はシンプルで、日本橋の風景が2040年ごろに根本から変わるからです。

現在、日本橋川の上空には首都高速道路の高架が架かっています。日本橋という日本の道路の起点が、道路の下に押し込められている状態です。この高架を撤去する首都高速道路 日本橋区間 地下化事業が進行中で、2040年ごろの完成が見込まれています。

問題は、高架が消えても、川沿いに背を向けた建物ばかりでは意味がないという点です。せっかく空が戻っても、川に面しているのがビルの裏口と駐車場入口では、水辺は活きません。

そこで動いているのが「日本橋リバーウォーク」という枠組みです。

  • 親水空間と川沿い歩行者ネットワークを中心としたエリア名称
  • 首都高地下化事業+5つの再開発事業が連携
  • 5つの開発区域を合わせた面積は約11ha
  • 国・東京都・中央区・首都高・民間事業者・地域が一体で推進

つまり、高架撤去に合わせて川沿いの建物を一斉に建て替え、川に開いた街並みを同時につくるという長期プロジェクトです。東京ミッドタウン日本橋は、その第一弾にあたります。

首都高が撤去された後の日本橋川の将来像がこちらです。

日本橋川沿いの5つの再開発+首都高地下化一体の「日本橋リバーウォーク」 - Impress Watch
首都高日本橋地下化と5つの再開発で東京に“水都”誕生、幅100m×長さ1.2kmの日本橋リバーウォーク:プロジェクト(1/2 ページ) - BUILT

幅約100m・長さ約1.2kmの親水空間が生まれる計画です。日本橋・八重洲エリアを東京の「水都」としての新しい顔にするという構想になっています。

4つの街区に何ができるのか

この事業は区域面積約3.0haで、A・B・C・Dの4街区で構成されます。

街区建物名称規模中身
A日本橋野村ビルディング旧館地上4階・約33m中央区指定有形文化財の外観を保存、低層部を商業に再生
B日本橋リバーサイドテラス地上7階・約32m川に面した商業施設+住宅48戸
C日本橋野村三井タワー(ザ タワー)地上52階・約284mオフィス・商業・ホテル・住宅・MICE
D日本橋一丁目三井ビルディング(サウス)地上20階既存ビル。COREDO日本橋をリニューアル

構成を見ると狙いが読み取れます。中央通り側に284mのタワー、日本橋川側には30m台の低層棟という配置です。川沿いに壁をつくらず、水辺に開くための断面計画になっています。

A街区の1930年竣工の歴史的建築(旧野村證券本店)を外観保存している点も、日本橋という土地への回答です。

メインタワー「ザ タワー」の中身

C街区のタワーは地上52階・地下5階、延床面積約374,800㎡。完成時点で日本で4番目、東京で2番目に高いビルになる見込みです。

用途
48〜51Fウォルドーフ・アストリア・レジデンス東京日本橋(71戸)
39〜47Fウォルドーフ・アストリア東京日本橋(197室)
22〜38Fオフィス高層部(基準階約1,300坪)
10〜20Fオフィス低層部(基準階約1,900坪
5〜8FMICE・ビジネス支援施設
B1〜3F商業施設

ホテルはヒルトンの最上級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」。197室に3つのレストラン、ラウンジ&バー「ピーコック・アレー」、屋内プール、スパ、宴会場、チャペルを備えます。2027年秋開業予定。

48〜51階の賃貸住宅はアジア太平洋地域初のウォルドーフ・アストリア・レジデンスで、専有面積約60㎡〜約430㎡の71戸です。

MICE施設も本格的で、約1,500㎡のホール2つと計約1,400㎡の12のカンファレンスルームを備える都心最大規模。約1,600人収容のホールで、株主総会から国際学会、コンサート、展示会まで対応します。

10階と21階には屋外スカイガーデンが設けられます。

COREDO日本橋はどうなる?

ここは実生活に関わる話なので押さえておきましょう。

2004年開業の「COREDO日本橋」は2026年10月に閉館します。その後改修工事に入り、2027年秋に「東京ミッドタウン日本橋」の商業ゾーンとしてリニューアルオープンします。

タワーとD街区は地上2階・地下1階で接続され、合計約20,000㎡の一体の商業施設になります。

なお、COREDO室町(1・2・3・テラス)の名称は変わりません。COREDOブランドが消えるわけではないので、そこは混同しないよう注意してください。

エネルギーと環境

C街区の地下にはエネルギーセンターが設置され、電気と熱を供給します。コージェネレーションシステム(CGS)による排熱利用と中圧ガス発電により、停電時でも事業継続が可能な体制です。将来的には周辺地区への供給も検討されています。

環境認証は、オフィス部分がZEB Oriented認証取得を前提とした設計、居住部分はZEH-M Orientedを2025年4月に取得、街区全体ではDBJ Green Building PLAN認証を2023年3月に取得済みです。

事業概要

項目内容
事業名日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業
施行者日本橋一丁目中地区市街地再開発組合
参画三井不動産、野村不動産
区域面積約3.0ha
設計日建設計(都市計画・基本設計・実施設計・監理)
デザインアーキテクト日建設計、Pelli Clarke & Partners
施工建設共同企業体
全体竣工2026年9月末(予定)
グランドオープン2027年秋(予定)
アクセス東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線「日本橋」駅直結/三越前駅徒歩3分/JR東京駅徒歩8分

「東京ミッドタウン」としては六本木・日比谷・八重洲に続く4か所目になります。

まとめ:この開発をどう読むか

  1. 首都高地下化(2040年ごろ)で日本橋川の景観が激変する
  2. その前提で川沿いを一斉に建て替える枠組みが「日本橋リバーウォーク」(5事業・約11ha)
  3. 東京ミッドタウン日本橋はその第一弾
  4. 中央通り側に284mのタワー、川側には30m台の低層棟という配置で水辺に開く
  5. ウォルドーフ・アストリアのホテル+アジア太平洋初のレジデンス
  6. 都心最大規模のMICE施設で国際的な交流機能を強化
  7. COREDO日本橋は2026年10月閉館、2027年秋に商業ゾーンとして再生

単体のビル開発ではなく、「川を都市の表側に戻す」ための最初の一手——そう捉えると、なぜこのタイミングでこの規模なのかが腑に落ちます。

高架が消えるのは2040年ごろ。完成した建物が15年近く「未完成の風景」の中で待つという、時間軸の長い都市計画です。

よくある質問

Q. 東京ミッドタウン日本橋はいつオープン?
2026年9月末に竣工し、2027年秋にグランドオープン予定です。

Q. COREDO日本橋はなくなるの?
2026年10月に閉館し、2027年秋に「東京ミッドタウン日本橋」の商業ゾーンとしてリニューアルオープンします。COREDO室町の名称は変わりません。

Q. 日本橋野村三井タワーの高さは?
地上52階・地下5階、高さ約284m(283.96m)。延床面積は約374,800㎡です。

Q. ホテルは何が入る?
ヒルトン最上級ブランド「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」が39〜47階に197室で2027年秋開業予定です。

Q. 日本橋リバーウォークとは?
日本橋川沿いの再開発区域一帯を指すエリア名称で、首都高地下化事業と5つの再開発事業が連携する枠組みです。合計面積は約11haになります。

出典

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