2026年8月24日、東京駅八重洲口前で進む巨大再開発の名前が決まりました。「YAESU CORE(ヤエス コア)」です。
事業名は「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」。これまで仮称のまま報じられてきたプロジェクトですが、その中身は延床面積約39万㎡・高さ約227m・地上43階という規模。オフィスだけでなく1,300席の劇場、インターナショナルスクール、サービスアパートメント、国内最大級のバスターミナルまで詰め込まれた、極端な複合用途ビルです。
この記事では「どこに」「何が」できるのかを、公式リリースの情報でフロアごとに整理します。
基本スペック
地図:OpenStreetMap/位置は概略です。敷地範囲は八重洲二丁目4〜7番の目安として表示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業 |
| 施設名称 | YAESU CORE(ヤエス コア) |
| 施行者 | 八重洲二丁目中地区市街地再開発組合 |
| 参加組合員 | 鹿島建設、住友不動産、都市再生機構(UR)、阪急阪神不動産、三井不動産の5者 |
| 所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目4〜7番 |
| 区域面積 | 約2.2ha |
| 敷地面積 | 約19,560㎡ |
| 延床面積 | 約389,290㎡ |
| 階数・高さ | 地上43階・地下3階/約227m |
| 主要用途 | 事務所、店舗、劇場、サービスアパートメント、インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場等 |
| 基本設計・実施設計監修・監理 | 日建設計 |
| 実施設計・監理・施工 | 鹿島建設 |
| 竣工予定 | 2029年1月末 |
デベロッパーが5者、しかも鹿島建設が参加組合員かつ施工者という体制です。都市計画・再開発コンサルタントも日建設計が担当しています。
まず「どこ」なのか——東京駅前3地区再開発の最後のピース
場所の理解が、このプロジェクトの意味を決めます。
YAESU COREは、東京駅八重洲口前で進んできた3つの再開発の最後の1つです。三井不動産はこれを「東京駅前3地区再開発の集大成」と表現しています。
| 地区 | 施設名 | 状況 |
|---|---|---|
| 八重洲二丁目北 | 東京ミッドタウン八重洲 | 2023年開業 |
| 八重洲一丁目東 | TOFROM YAESU | 2026年竣工 |
| 八重洲二丁目中 | YAESU CORE | 2029年1月末竣工予定 |
つまり東京駅八重洲口の目の前が、3つの超高層で一体的に置き換わるという話です。YAESU COREはその中央〜南側、外堀通りと柳通りに面する街区に建ちます。
アクセスはこうです。
- JR「東京」駅八重洲口 徒歩3分(地下直結)
- 東京メトロ銀座線「京橋」駅 徒歩2分(地下直結)
- 東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線「日本橋」駅 徒歩8分
- 東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅 徒歩5分
ここも重要で、この施設ができることで東京駅と銀座線京橋駅をつなぐ歩行者ネットワークが形成され、八重洲エリアの回遊性がさらに高まるとされています。東京駅から銀座方面へ、地下で歩ける動線ができるわけです。
外観イメージがこちらです。



「何ができる」のか——フロアごとの用途
ここが本題です。公式リリースの用途断面図に沿って整理します。
| 階 | 用途 |
|---|---|
| 40〜43F | サービスアパートメント |
| 11〜38F | オフィス(1フロア約6,300㎡超) |
| 3〜6F | 劇場(約1,300席) |
| 3〜4F | インターナショナルスクール(体育館・プール・屋外運動場含む) |
| B1〜3F | 商業施設(約50店舗) |
| 地下 | バスターミナル東京八重洲、駐車場 |
ひとつずつ見ていきます。
① オフィス(11〜38階):1フロア約6,300㎡の巨大フロアプレート
オフィスは11階〜38階に配置され、1フロア約6,300㎡超(約1,900坪超)という巨大なフロアプレートを備える計画です。
この数字がどれくらいすごいか。前に解説したトーチタワーの基準階が約2,000坪、大手町ゲートビルディングが約620坪です。都内でも最大級の1フロア面積で、数千人規模の本社機能を1フロアに収められるスケールです。
② 商業施設(B1〜3階):約50店舗、隣と合わせて100店舗超
商業施設は地下1階〜地上3階に約50店舗を開業予定。そして重要なのがここです——「東京ミッドタウン八重洲」と地上・地下で接続することで、両施設あわせて100店舗を超える商業空間を創出します。
さらに、日本の大型書店の先駆けである「八重洲ブックセンター」が新店舗の出店を計画しています。八重洲ブックセンター本店は2023年に営業を終了していたので、再開発後の街への「復帰」という形になります。
③ 劇場(3〜6階):阪急・梅田芸術劇場の約1,300席
個人的に一番の注目ポイントです。
3階〜6階には阪急電鉄が施設計画を行い、梅田芸術劇場が運営を担う、最新設備の約1,300席の劇場が新設されます。上演される演目として、ミュージカル、演劇、宝塚歌劇、コンサートなどが挙げられています。
関西を本拠とする阪急グループが、東京駅前に自前の劇場拠点を持つという構図です。日比谷の東京宝塚劇場に続く東京側の拠点で、東京駅前から世界と日本を結ぶエンターテインメントの拠点を目指すとされています。
④ インターナショナルスクール(3〜4階)
3階〜4階には体育館・プール・屋外運動場を含む学校施設を整備し、世界トップレベルの教育カリキュラムを提供するインターナショナルスクールを誘致する予定です。
超高層オフィスビルの低層部にプールと屋外運動場を持つ学校が入るのは異例です。外資系企業の誘致において、駐在員家族の教育環境はオフィス選定の重要な条件になるため、オフィスの競争力と直結した用途として組み込まれていると読めます。
⑤ サービスアパートメント(40〜43階)
最上部の40階〜43階には、1泊から中長期滞在まで幅広いニーズに対応するサービスアパートメントが計画されています。ビジネス、観光、長期滞在の需要に応える機能です。
⑥ バスターミナル:これで国内最大級が完成する
地下の「バスターミナル東京八重洲」が、このプロジェクトのもう一つの核です。
このバスターミナルは3地区の再開発にまたがって一体運用される仕組みで、段階的に開業してきました。
| 期 | 状況 |
|---|---|
| 第1期 | 開業済み |
| 第2期(地下A) | 2026年3月20日開業、第1期と合わせ13バースに拡大 |
| 第3期(YAESU CORE) | 7バースを整備し全体開業 |
YAESU COREの7バースが加わることで全体開業となり、乗降用20バース・約21,000㎡の国内最大級の高速バスターミナルが完成します。
つまりこの再開発は、八重洲エリアに散在していた高速バス乗降場を地下に集約する事業の、最後のピースでもあるわけです。地上の交通混雑の解消という都市課題に直結しています。



この中に、YAESU COREで整備される7バースが加わります。
環境・防災:隣のビルとエネルギーを分け合う
もう一つの特徴が、「東京ミッドタウン八重洲」とのエネルギー連携です。
隣接施設とのエネルギー連携や非常用発電機の整備により、平常時の環境負荷低減に加え、災害時の業務継続性や帰宅困難者支援機能の強化を図るとされています。
ここは大手町ゲートビルディングの「川底に洞道を通してDHCを延伸」と同じ思想です。単棟で完結させず、街区単位でエネルギーと防災を最適化するという手法が、東京の大規模再開発の標準になってきています。
スケジュール
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2023年4月 | 既存建物の解体工事着手 |
| 2024年8月 | 本体工事着工(起工式) |
| 2026年3月20日 | バスターミナル東京八重洲 第2期エリア開業(13バースに) |
| 2026年8月24日 | 施設名称「YAESU CORE」を発表 |
| 2029年1月末 | 竣工予定 |
| 2029年度 | バスターミナル第3期(7バース)開業予定 |
名称とロゴの意味
「YAESU CORE」のCOREには、「中心核、生命の根源としての核」という意味が込められています。
八重洲は江戸時代より町人の街として栄え、高度経済成長期には企業の全国展開・海外進出を支援するなど、日本経済・文化の中心地として発展してきた街です。その歴史を基盤に、多様な価値が集い交わることで日本の活力を生み出すエネルギー源として100年先も受け継がれる場所でありたいという想いが込められています。
ロゴの色は、都市のランドマークとしての象徴性と普遍性、そして価値・品格を感じられる「リッチゴールド」を採用(商標登録出願中)。
まとめ:YAESU COREは何のための建物か
- 場所:東京駅八重洲口前、外堀通り〜柳通りの街区(中央区八重洲二丁目4〜7番)
- 規模:地上43階・約227m・延床約389,290㎡、2029年1月末竣工予定
- オフィス(11〜38F):1フロア約6,300㎡超という都内最大級
- 商業(B1〜3F):約50店舗、ミッドタウン八重洲と合わせ100店舗超、八重洲ブックセンターが復帰
- 劇場(3〜6F):阪急・梅田芸術劇場運営の約1,300席、宝塚歌劇も上演
- 学校(3〜4F):プール・屋外運動場を備えるインターナショナルスクール
- 滞在(40〜43F):サービスアパートメント
- 交通(地下):7バース追加で国内最大級20バースのバスターミナルが完成
- 東京駅前3地区再開発の集大成、東京駅〜京橋駅の地下歩行者ネットワークを形成
一言でいえば、「働く・買う・観る・学ぶ・泊まる・移動する」を1棟に詰め込んだ建物です。低層部に劇場と学校とバスターミナルを同時に成立させる断面計画は、都市型複合施設としてかなり無理のある条件で、それをどう解いているかが図面的な見どころになります。2029年の竣工後、断面図と実物を見比べたいプロジェクトです。
よくある質問
Q. YAESU COREはいつ開業する?
建物の竣工予定は2029年1月末です。バスターミナル第3期(7バース)の開業は2029年度が予定されています。商業施設などの具体的な開業日は未公表です。
Q. YAESU COREの場所はどこ?
東京都中央区八重洲二丁目4〜7番です。JR東京駅八重洲口から徒歩3分(地下直結)、東京メトロ銀座線京橋駅から徒歩2分(地下直結)の位置です。
Q. 高さと階数は?
高さ約227m、地上43階・地下3階。延床面積は約389,290㎡、敷地面積は約19,560㎡です。
Q. 劇場はどんな施設?
阪急電鉄が施設計画を行い、梅田芸術劇場が運営する約1,300席の劇場が3〜6階に入ります。ミュージカル、演劇、宝塚歌劇、コンサートなどの上演が想定されています。
Q. 東京駅前3地区再開発とは?
「東京ミッドタウン八重洲」「TOFROM YAESU」「YAESU CORE」の隣接する3つの第一種市街地再開発事業を指します。YAESU COREはその集大成にあたります。


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