🛫 人が来ない羽田イノベーションシティ(HICity) 欠陥建築シリーズ

欠陥建築

— 空港 × 研究開発 × 商業 × 文化を融合した「次世代スマートシティ」

https://www.kenbiya.com/news_img/30710-1.jpg?4855750756=&utm_source=chatgpt.com
https://haneda-innovation-city.com/assets/img/top/about_img1_2311.png?utm_source=chatgpt.com

羽田空港に隣接した 約5.9haの大規模複合開発エリア
2020年プレオープン、2023〜2024年にかけて段階的に本格稼働が進む、東京湾岸の“最先端まちづくり”である。


■ ① 羽田イノベーションシティの位置づけ

✔ 空港直結のイノベーションハブ

京急「天空橋駅」と直結し、
国際線ターミナル(T3)へもアクセス至近。

「日本の玄関口 × 国際ビジネス × R&D × 商業・文化体験」
という、日本では珍しい都市構造。

✔ 目的は“観光 × ビジネス × 研究”の融合

テナントの多くは

  • ロボティクス
  • eVTOL(空飛ぶクルマ)
  • バイオヘルスケア
  • メディア・クリエイティブ
    など、未来産業系企業で占められる。

さらに、アリーナ・温浴施設・飲食・和文化体験まで揃う、羽田の新しい観光拠点でもある。


■ ② 主な施設構成(要点)

https://haneda-innovation-city.com/assets/img/facility/floor_map_1f.png?v=20240927&utm_source=chatgpt.com
https://haneda-innovation-city.com/assets/img/access/img_parking_2311.png?utm_source=chatgpt.com

● Zone A-F:研究開発・オフィス

スタートアップ、空飛ぶクルマ開発企業、医療×AI分野などが入居。
羽田という“国際ゲートウェイ”を活かし、世界企業との協業も狙う。

● Zone H:ライブエンタメ施設(Zepp Haneda)

国内最大級の音楽ライブハウス規模。空港直結の新しい“音楽都市”機能。

● Zone J:足湯スカイデッキ・展望広場

飛行機を眺めながら入れる“空港足湯”はSNSでも人気。

● Zone K:温浴施設・飲食エリア

旅の前後に使えるラウンジのような構造で、観光客の滞在時間を延長する仕掛け。


■ ③ 羽田イノベーションシティが注目される理由

✔ 世界にも珍しい「空港都市(Airport City)」モデル

従来の空港は“交通インフラ”に過ぎなかったが、
羽田は 都市・産業・観光が合体したハイブリッド都市を目指している。

✔ 未来産業の“実証実験都市”

ドローン配送、自動運転、空飛ぶクルマ、スマートセキュリティ…
新技術を空港隣接地で本格運用できる稀有なフィールド。

✔ 国・東京都・大田区が共同で推す国家プロジェクト

復興特区・国家戦略特区の枠組みで開発された“国策都市”。


■ ④ 一方で課題も多い(都市計画・商業・動線)

https://assets.st-note.com/img/1748667391-roLR7zKeI9mqH0J4GObAgYDa.jpg?width=1200&utm_source=chatgpt.com
https://framebyframe.tokyo/wp-content/uploads/2025/07/HTT01130-1024x683.jpg?utm_source=chatgpt.com
https://desrd0w7gtz8s.cloudfront.net/article_images/machicon/area/5864/thm-5864_1.jpg?utm_source=chatgpt.com

❌ 1. 来訪者数が想定より伸びていない

プレオープン後、
「平日は人が少ない」「商業エリアが閑散」という指摘が多い。

理由は

  • 羽田空港のメイン動線から外れている
  • 空港利用者が“わざわざ寄る導線”ではない
  • 研究開発系施設は一般来訪者が利用しにくい
  • 商業テナントの数が少なく“街としての厚み”が弱い

など。

❌ 2. 建築配置が複雑で“街のまとまり”が弱い

敷地が南北に長く、区画が分散しているため
回遊性が低く、ショッピング動線が成立しにくい

❌ 3. 駅周辺のにぎわいが限定的

天空橋駅は便利だが、ゆっくり歩く人の流動が少ないため
“滞留して賑わう街”になりにくい。

❌ 4. 観光施設としての目的性が弱い

  • 「空港のついでなら良いが、わざわざ行く理由が弱い」
  • 都心から遠く、商業テナントも少ない

という声が多い。


■ ⑤ 建築 × 不動産視点からの評価

■ ポジティブ

  • 空港都市としてのブランド価値が高い
  • 研究開発拠点としての希少性
  • 国際ビジネスのゲートウェイになれる可能性

■ ネガティブ

  • 商業動線が弱く、低温期に閑散しがち
  • 商業エリアが細かく、都市としての“厚み”が不足
  • コンセプトが広すぎて、一般来訪者には伝わりにくい

■ ⑥ 羽田イノベーションシティ“成功の条件”

HICityを本格稼働させるには、以下の施策が有効と考えられる。

✔ 1. 空港との連結動線をもっと強化

  • T3〜HICity間のシャトル増便
  • 動く歩道・デッキ直結
  • 旅行者の“最後の観光地”として機能させる

✔ 2. 目的性の高いイベント/観光コンテンツ

  • 国際カンファレンス
  • eスポーツ
  • 音楽フェス
  • テクノロジー見本市
    → 「HICityに行く目的」をつくる必要がある。

✔ 3. 商業テナントの強化

今は飲食・物販が薄いため、
滞在時間が短くなる構造を変えることが必須。

✔ 4. “羽田ブランド”の強化

  • 飛行機を眺める体験
  • 空港×温泉×屋上デッキ
  • 航空系ミュージアム

羽田という立地を最大限活用すべき。


■ ⑦ 総括:羽田イノベーションシティは「未完成の都市実験場」

羽田イノベーションシティは、
都市 × 空港 × 技術 × 文化 を合体させる国家的プロジェクト。

しかし現状は、

  • 動線・商業・にぎわい形成に課題
  • 来訪者の目的性が弱い
  • “街としての厚み”がまだ十分ではない

という“未完成都市”である。

一方で、

  • 空港横の立地
  • 国家戦略特区
  • 最先端企業の集積
    という強みから、今後の発展余地は大きい

完成形はまだ見えていないが、
“未来都市の実験フィールド”としての価値は高い。

コメント

タイトルとURLをコピーしました