はじめに|「全国的な雨」で本当に回復したのか?
全国で広く雨が降りました。
ニュースやSNSでは
「これで水不足は解消?」
という声も出ています。
しかし、結論はシンプルです。
👉 回復したダムもあるが、回復していないダムもある。
その差はどこから生まれたのか。
建築・都市インフラの視点も含めて整理します。
対象ダム一覧(前回紹介分)
- 宇連ダム(愛知)
- 早明浦ダム(四国)
- 大渡ダム(高知)
- 利根川水系上流ダム群(首都圏)
- 荒川水系ダム群(首都圏)
- 筑後川水系ダム群(福岡)
前回の雪による水位変化の記事はこちら
✅ 回復傾向が見られたダム
① 利根川水系ダム群(首都圏)

最新傾向
- 40%台前半 → 微増傾向
なぜ回復した?
- 集水面積が広い
- 雨量が比較的まとまっていた
- ダム群運用で水を融通可能
👉 “流域が広いダム群”は回復しやすい
② 筑後川水系(福岡)


最新傾向
- 20%台前半 → 若干上昇
回復要因
- 流域にまとまった降雨
- 山地割合が高く流入効率が良い
👉 西日本は雨の影響が比較的反映されやすい。
❌ ほとんど回復していないダム
③ 宇連ダム(愛知)


状況
- 5〜6%前後で横ばい
なぜ回復しない?
- 流域が比較的小さい
- そもそもの水量が極端に少ない
- 雨量が限定的
👉 “小規模流域×極端な低水位”は回復しにくい
④ 大渡ダム(高知)


状況
- 0%状態から大幅改善なし
原因分析
- 利水容量が尽きている
- 取水制限中で流入<放流
- 回復には“まとまった豪雨”が必要
👉 0%近辺は「雨1回」では動かない。
⑤ 早明浦ダム(四国)


状況
- 50%前後で小幅変動
なぜ大きく増えない?
- 取水制限中
- 春の融雪待ち
- 流域の雨量が限定的
👉 数字上は中程度でも“運用上は緊張状態”。
回復差が生まれた3つの要因
① 流域面積の違い
広い流域ほど
👉 雨が分散しても流入量が確保される。
小規模ダムほど回復が難しい。
② もともとの貯水率
- 40% → 雨で上がりやすい
- 5% → まず底上げが困難
水が少なすぎると雨の効果は限定的。
③ 運用状態(取水制限)
制限中は
- 流入を優先
- 放流抑制
だが、生活用水需要があるため
👉 完全回復には時間がかかる。
建築・都市視点での重要ポイント
回復しなかった地域は今後どうなる?
- 給水圧低下
- 節水強化
- 産業活動への影響
特に
- 高層住宅
- 病院
- 商業施設
は水依存度が高い。
👉 渇水は「地方ニュース」ではない。
まとめ
| 分類 | ダム |
|---|---|
| 回復傾向 | 利根川水系、筑後川水系 |
| 横ばい・深刻 | 宇連ダム、大渡ダム、早明浦ダム |
雨=即解決ではない。
流域条件と元の水量がすべてを決める。



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