品川駅街区地区とは?品川駅がどう変わり便利になるのかを解説

都市・再開発

品川駅は、新幹線・JR在来線・京急線が集まる大ターミナルです。さらにリニア中央新幹線の始発駅にもなります。

ところが実際に使うと不便です。乗換動線が複雑で、駅の西側(高輪口)と東側(港南口)の行き来がしにくく、混雑する

それを解決するのが「品川駅街区地区」の開発です。JR東日本と京浜急行電鉄が、品川駅の西側に高さ150mのビルを2棟建てながら、駅そのものを作り替えます

なかでも大きいのが、京急品川駅が高架から地平(地上)に降りるという変化。ホームが約130m北へ移動します。この記事では、駅がどう便利になるのかを整理します。

事業の基本情報

地図:OpenStreetMap/位置・範囲は概略です。街区・デッキ・ホーム移動の位置は公表資料をもとにした模式表示です。情報は2026年9月時点。

項目内容
事業名品川駅街区地区(都市再生特別地区)
所在地東京都港区港南二丁目・高輪三丁目ほか
事業主体東日本旅客鉄道(JR東日本)・京浜急行電鉄
全体敷地約33,500㎡
位置品川駅西側の南北に細長い敷地を2つに分割
都市計画2016年4月 品川駅周辺地区 都市計画決定/2023年度 都市計画変更

2つの街区に分かれています。

北街区(JR東日本)南街区(南-a)(京急)
規模地上28階・塔屋2階・地下3階/高さ約150m地上28階・地下2階/高さ約150m
敷地面積14,682.58㎡約17,300㎡
延床面積約162,465㎡約20.1万㎡
用途オフィス、店舗、駅施設、駐車場等駅施設等を含む複合用途
基本設計JR東日本建築設計・日本設計・日建設計JV日建設計
竣工2031年3月予定2026年3月着工・2037年3月予定

南街区にはさらに延床約8,300㎡の中高層ビル(南-b)も計画されています。

北街区が2031年、南街区が2037年——6年の時間差があるのが特徴です。

完成イメージがこちらです。

(仮称)品川駅街区地区 南街区(南-a)・(南-b)
(仮称)品川駅街区地区 南街区(南-a)・(南-b)
(仮称)品川駅街区地区 南街区(南-a)・(南-b)

なぜこの開発が必要なのか

港区の資料が課題を明快に整理しています。

品川駅街区地区は複数の鉄道が乗り入れるターミナル駅となる品川駅を核とするエリアであり、以下が求められていました。

課題求められること
混雑鉄道等利用者の混雑の解消
動線複雑な乗換え動線の解消
空間滞留やにぎわいを生む空間の確保
機能駅直結の利便性を生かした多様な都市機能の集積

これを線路上空を有効活用しながら実現する、というのがこの事業の方針です。

品川駅周辺地区は国道15号の東側に位置し、JR東日本の車両基地跡地を含む約21.6haの地区。周辺では以下の事業が同時に進んでいます。

  • リニア中央新幹線の整備
  • 京浜急行本線の連続立体交差事業および品川駅総合改善事業
  • JR品川駅北口駅改良
  • 環状第4号線、補助線街路第332号線・第334号線、国道15号品川駅西口基盤整備
  • 東京メトロ南北線分岐線

鉄道と道路と再開発が同時進行する——これが品川駅の現状です。

駅はどう変わるのか:5つの改善

①京急品川駅が「地平化」する

最大の構造的変化です。

京浜急行本線の連続立体交差事業により、京急線品川駅が高架から地平(地上)レベルに降ります。そしてホームが約130m北側に移動します。

移動によって空く京急品川駅の跡地に、京急が南街区(南-a)の超高層ビルを建てるという組み立てです。

さらに重要なのは、京急線品川駅の鉄道施設が建物内に配置されること。駅と建物が一体になるわけです。

「駅の上にビルを建てる」のではなく、「ビルの中に駅が入る」——これが品川駅街区地区の基本構造です。

②東西自由通路を西へ延伸

品川駅の長年の課題が東西の分断でした。既存の中央自由通路(東西自由通路)が唯一の横断手段です。

そこで、京急品川駅の地平化に合わせて既存の東西(中央)自由通路を西側に延伸します。

さらに北側と南側それぞれで駅西側につながる通路を整備します。つまり、

  • 中央:既存の自由通路を西へ延伸
  • 北側:新たな通路
  • 南側:新たな通路

横断ルートが1本から3本に増える計算です。これによりデッキレベルでの歩行者ネットワークが拡充されます。

③JR品川駅北口に新しい改札ができる

JR品川駅北口駅改良が別事業として進んでいます(着工済み)。

項目時期
JR品川駅北口駅改良(北側改札整備)2027年度

新しい改札が駅の北側にできる——これは高輪ゲートウェイ方面や環状4号線方向へのアクセス改善に直結します。

あわせて補助線街路第334号線(品川駅北口駅前広場)も整備されます。

駅街区と国道上空デッキの配置がこちらです。

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④国道15号上空に「次世代型交通ターミナル」

駅の西側では、国道事業として大規模な整備が行われます。

  • 国道15号上空を活用した「次世代型交通ターミナル」
  • 国道上空デッキ(北側)
  • 国道上空デッキ(南側)
  • にぎわい広場

品川駅街区地区の建物は、これらとの連携に配慮して計画されます。

次世代型交通ターミナルというのは、バスやタクシーに加えて将来の新しいモビリティにも対応する交通拠点という位置づけです。道路の上空に交通ターミナルを作るという発想です。

これにより駅から国道を渡って高輪側(西口)へ、地上に降りずに行けるようになります。A地区(トヨタ新東京本社)やC地区とも、このデッキでつながります。

⑤人工地盤上の駅広場と環状4号線接続

駅前空間も整備されます。

整備内容内容
人工地盤上に駅広場を設置地上ではなく人工地盤の上
環状第4号線との交差部接続動線環状4号線方向への動線を確保
東口駅前広場港南側(東側)の駅前広場

環状第4号線は品川から白金方面へ抜ける都市計画道路で、現在整備が進んでいます。これとの接続動線が設けられます。

さらに:東京メトロ南北線が品川に来る

駅の利便性を大きく変える要素がもう一つあります。

東京メトロ南北線分岐線(7号線)の品川駅です。すでに「7号線品川工区土木工事」が始まっており、鹿島・鉄建・京急建設工事共同企業体が下水道移設・樹木移植・杭打ち工事を進めています。

開通は2030年代半ばを予定。道路の下に東京メトロ南北線「品川駅」が出現します。

これにより品川駅は、

東海道新幹線・リニア中央新幹線・JR在来線・京急線・東京メトロ南北線

が集まる駅になります。

スケジュール

時期できごと
2016年4月品川駅周辺地区 都市計画決定
2019年4月品川駅街区地区 都市再生特別地区 決定
2023年度都市計画変更
2024〜2025年度区域1〜4-1、4-3 竣工
2026年3月南街区 着工
2027年度JR品川駅北口駅改良(北側改札整備)
2031年3月北街区 竣工予定
2030年代半ば東京メトロ南北線分岐線 開通予定
2037年3月南街区 竣工予定

2027年度から2037年まで、10年かけて段階的に完成していきます。

まとめ:品川駅はこう便利になる

  1. 品川駅西側の約33,500㎡にJR東日本と京急が高さ約150mのビルを2棟
  2. 京急品川駅が地平化し、ホームが約130m北へ移動。鉄道施設が建物内に配置される
  3. 東西自由通路を西へ延伸し、さらに北側・南側にも通路を新設(横断ルートが増える)
  4. JR品川駅北口に新改札(2027年度)
  5. 国道15号上空に次世代型交通ターミナルと南北2本の上空デッキ
  6. 人工地盤上に駅広場、環状第4号線への接続動線
  7. 東京メトロ南北線分岐線が2030年代半ばに開通
  8. 北街区2031年3月、南街区2037年3月の竣工予定

品川駅の問題は、規模が大きいのに動線が貧しいことでした。新幹線もリニアも来るのに、東西を渡る通路が1本しかない

この事業は、「駅の中に通路を増やし、道路の上にデッキと広場を作る」**という手法でそれを解きます。京急のホームを130m動かして地上に降ろすという大技も、通路と広場のための空間を作るためです。

高さ150mのビル2棟は結果であり、本体は駅の作り替え。前回の泉岳寺駅の記事と同じ構造です。

2037年、品川駅は別の駅になります。

よくある質問

Q. 品川駅街区地区の開発はいつ完成する?
北街区(JR東日本)は2031年3月、南街区(京急)は2037年3月の竣工予定です。JR品川駅北口の駅改良は2027年度の整備予定です。

Q. 京急品川駅はどう変わる?
京浜急行本線の連続立体交差事業により高架から地平(地上)レベルに降り、ホームが約130m北側に移動します。鉄道施設は南街区の建物内に配置されます。

Q. 東西の行き来はしやすくなる?
既存の東西(中央)自由通路を西側に延伸するとともに、北側と南側にもそれぞれ駅西側につながる通路が整備され、デッキレベルの歩行者ネットワークが拡充されます。

Q. 国道15号の上空には何ができる?
国道事業として次世代型交通ターミナル、国道上空デッキ(北側・南側)、にぎわい広場が整備される計画です。

Q. 南北線は本当に品川に来る?
東京メトロ南北線分岐線(7号線)の品川工区土木工事が着工済みで、2030年代半ばの開通を予定しています。

出典

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