新宿駅西口で60年以上営業を続ける京王百貨店新宿店。その建物を含む一帯が、「新宿駅西南口地区開発事業」の北街区として建て替えられる計画です。
計画では、京王百貨店とルミネ1の建物を解体し、地上19階・高さ約110mのビルを建てます。完成の目標は2040年代。
ただし北街区は、甲州街道を挟んだ南街区の完成後に着手するという順番になっています。そしてその南街区は、2025年3月に工期が「未定」になりました。
この記事では、北街区の計画の中身と、今後の予定がどう決まっていくのかを整理します。
事業の基本情報
地図:OpenStreetMap/位置・範囲は概略です。街区・デッキ・ホーム移動の位置は公表資料をもとにした模式表示です。閉店時期・着手時期は2026年9月時点で未公表・未確定です。最新情報は事業者の発表をご確認ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | (仮称)新宿駅西南口地区開発事業 |
| 街区 | 北街区(甲州街道の北側) |
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目 |
| 事業主体 | 京王電鉄・JR東日本 |
| 現在の建物 | 京王百貨店新宿店、ルミネ新宿 ルミネ1 |
| 都市計画決定 | 2022年11月9日(都市再生特別地区) |
| 位置づけ | 新宿グランドターミナル構想の一部 |
北街区の計画規模はこうです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 規模 | 地上19階・地下3階 |
| 最高高さ | 約110m |
| 延床面積 | 約141,500㎡ |
| 計画容積率 | 約1,250% |
| 主要用途 | 店舗、宿泊施設、駐車場等 |
| 着手 | 南街区の竣工後 |
| 完成目標 | 2040年代 |
南街区(地上36〜37階・高さ約220〜225m・オフィス中心)と比べると、北街区は高さが半分程度で、オフィスを持たないのが特徴です。店舗と宿泊施設——つまり百貨店の後継となる商業と、ホテルが中心の建物になります。
西南口地区全体(北街区+南街区)の総事業費は、京王電鉄によれば約3,000億円程度とされています。
計画の全体イメージと配置がこちらです。

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北街区には何ができるのか
① 百貨店の後継となる商業
北街区の主要用途の筆頭は店舗です。現在の京王百貨店とルミネ1が担ってきた新宿西口の商業機能を、新しい建物が引き継ぐ形になります。
ただし、新しい建物が「百貨店」になるかどうかは公表されていません。京王電鉄は2023年の発表で、北街区の計画内容については今後検討を進めるとしています。
② 宿泊施設
北街区にも宿泊施設が計画されています。南街区の高層階にも京王グループの新ブランドによるラグジュアリーホテルが構想されており、西南口地区の2つの街区の両方にホテルが入る計画です。
計画の目的の一つに、宿泊施設整備による国際競争力を高める都市機能の導入が掲げられています。新宿駅の目の前で泊まれる場所を増やすという方針です。
③ 甲州街道をまたぐ国道デッキ
北街区と南街区をつなぐ国道デッキも整備されます。
現在、京王百貨店側から南口・バスタ新宿側へ行くには、甲州街道を地上で渡る必要があります。デッキができれば、車道を通らずに南北を移動できるようになります。
西南口地区の計画は、重層的な歩行者ネットワークや滞留・回遊空間の整備を掲げており、このデッキがその中心です。
京王線新宿駅も変わる
北街区の開発と並行して、京王線新宿駅の改良工事も段階的に進められます。京王百貨店の地下には、京王線新宿駅のホームがあるからです。
先行して行われる改良の内容はこうです。
| 改良内容 | 効果 |
|---|---|
| 地下2階のホームを北側(丸ノ内線側)へ移動・延伸 | — |
| ホーム北側端部に改札を新設 | 地下2階のホーム階から東京メトロ丸ノ内線へ乗り換え可能に |
| — | 新宿駅西口地下広場の歩行者交錯を改善 |
| — | 乗り換え時間の短縮 |
現在、京王線から丸ノ内線に乗り換えるには、ホームから改札階へ上がり、混雑する西口地下広場を横切る必要があります。ホームの端に新しい改札ができれば、その移動が大幅に短くなります。
この駅改良は、2023年度から南街区の開発と同時に着手するとされていました。
京王線新宿駅の改良のイメージがこちらです。

ja.wtmnews

tabiris

plaza.rakuten.co
※2枚目は非公式の個人サイト、3枚目は個人ブログです。記事には1枚目(旅行総合研究所タビリス)、4枚目(鉄道チャンネル)、または京王電鉄のプレスリリースの図を使ってください。
今後の予定:なぜ「2040年代」なのか
「南街区の後に北街区」という順番
北街区の完成が2040年代と遠いのは、工事の順番が決まっているからです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 第1段階 | 南街区の既存ビルを解体 → 高さ約220mのビルを建設 |
| 第2段階 | 南街区の竣工後、京王百貨店・ルミネ1を解体 → 北街区のビルを建設 |
なぜこの順番なのか。京王百貨店は営業中の大型商業施設であり、地下には京王線新宿駅があります。先に南街区に新しい商業・宿泊機能をつくり、その後で北街区を建て替えることで、新宿西口の商業機能が一時的に大きく失われることを避けることができます。
南街区が止まっている影響
ここで問題になるのが、南街区の工期が「未定」になっていることです。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2023年8月 | 当初計画:南街区 2023〜2028年度、北街区は南街区竣工後に着手・2040年代完成 |
| 2025年3月28日 | 京王電鉄が南街区の工期完了を「2028年度」→「未定」に変更(施工会社が決まらないため) |
| 2025年12月 | 南街区の地下部等の解体をフジタが受注(〜2029年3月31日)、新築の施工者・時期は「未定」 |
北街区の工期そのものは、従来の予定どおりとされています(2025年12月時点の報道)。つまり北街区の計画が変更されたわけではありません。
ただし、**北街区の着手は「南街区の竣工後」**です。南街区の竣工時期が決まらない以上、北街区の着手時期も実質的に確定できない——これが現在の北街区の置かれた状況です。
京王百貨店の営業はいつまで?
京王百貨店新宿店は現在、通常どおり営業しています。
閉店時期は公表されていません。計画上は南街区の竣工後に解体となるため、南街区の着工が遅れるほど、京王百貨店の営業期間は長くなると考えられます。
一方、周辺では施設の閉鎖が先行しています。
| 施設 | 状況 |
|---|---|
| モザイク通り | 2023年3月25日に営業終了(西口地区開発のため) |
| 新宿ミロード本館 | 2025年3月16日に営業終了(西口地区開発のため) |
| 京王百貨店新宿店 | 営業中(閉店時期未公表) |
| ルミネ1 | 営業中(閉店時期未公表) |
モザイク通りと新宿ミロードは、北側の新宿駅西口地区開発計画(旧小田急百貨店)のための閉鎖です。北街区(京王百貨店)の閉店とは別の事業なので、混同しないよう注意してください。
新宿西口の2つの百貨店
新宿西口には、長らく2つの百貨店が並んでいました。
| 小田急百貨店新宿店本館 | 京王百貨店新宿店 | |
|---|---|---|
| 位置 | 西口の北側 | 西口の南側(甲州街道沿い) |
| 開業 | 1967年 | 1964年 |
| 現状 | 2022年10月に営業終了、跡地で260mビル建設中 | 営業中 |
| 再開発 | 新宿駅西口地区開発計画(2029年度竣工予定) | 西南口地区 北街区(2040年代目標) |
小田急百貨店本館はすでに姿を消し、跡地で工事が進んでいます。一方、京王百貨店は西口に残る最後の大型百貨店として営業を続けています。
新宿西口の「百貨店の時代」が終わるのは、北街区の建て替えのとき——それが2040年代です。
まとめ:北街区の概要と今後
北街区の計画
- 京王百貨店新宿店・ルミネ1を解体し、地上19階・地下3階・高さ約110m、延床約141,500㎡のビルへ
- 用途は店舗と宿泊施設が中心(オフィスは南街区)
- 甲州街道をまたぐ国道デッキで南街区とつなぐ
- 並行して京王線新宿駅を改良:ホームを北へ移し、丸ノ内線へ直接乗り換えられる改札を新設
今後の予定
5. 南街区の竣工後に北街区を着手する順番
6. 完成目標は2040年代
7. 南街区の工期が「未定」のため、北街区の着手時期も実質的に確定できない状況
8. 京王百貨店は通常営業中、閉店時期は未公表
京王百貨店は、新宿西口に残る最後の大型百貨店です。その建て替えは「南街区が建ってから」という順番で決まっており、南街区の行方が京王百貨店の未来を決めるという構造になっています。
北街区の計画そのものは変わっていません。しかしいつ始まるのかは、甲州街道の向こう側——南街区の空き地に、いつビルが建ち始めるかにかかっています。
よくある質問
Q. 京王百貨店新宿店はいつ閉店する?
閉店時期は公表されていません。計画では、甲州街道を挟んだ南街区の竣工後に京王百貨店を解体して建て替える予定です。南街区の工期が「未定」のため、北街区の着手時期も確定していません。
Q. 京王百貨店の跡地には何ができる?
地上19階・地下3階、高さ約110m、延床約141,500㎡のビルが計画されています。主要用途は店舗、宿泊施設、駐車場等です。
Q. いつ完成する?
完成は2040年代が目標とされています。北街区の着手は南街区の竣工後を予定しています。
Q. 京王線新宿駅はどう変わる?
地下2階のホームを北側(丸ノ内線側)へ移動し、ホーム北側端部に改札を新設することで、ホーム階から東京メトロ丸ノ内線へ乗り換えられるようになる計画です。西口地下広場の混雑緩和や乗り換え時間の短縮が見込まれています。
Q. ルミネ1もなくなる?
計画では、北街区で京王百貨店とあわせてルミネ新宿のルミネ1も解体し、新しいビルを建設する予定です。閉店時期は公表されていません。


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