天神ビッグバン(天神ビックバン)とは?
福岡市・天神エリアで、古くなったビルを「まとめて建て替え」しやすくするために、規制や手続きを見直して都心機能を更新する都市政策です。目的はざっくり言うと、①安全性の向上(耐震・防災)②国際競争力のあるオフィス供給③にぎわい・歩きやすさの向上を同時に進めること。福岡市は進捗として、開始後(2015年2月〜)の建築確認申請数・竣工棟数なども公表しています。
どこが対象?
「天神」という広い呼び方の中でも、制度の“核”は天神交差点周辺のコアエリア(例:天神交差点を中心に東西約700m・南北約200m程度という説明)として紹介されています。
※実際の適用は、道路条件や地区計画など制度ごとに細かく変わります。
何が“ビッグバン”なの?(仕組みを超かんたんに)
ポイントは「建て替えを促す“アメ”と“条件”のセット」です。
1) 容積率の“ボーナス”(床面積を増やせる)
都心の更新を誘導する制度の中で、条件を満たす計画に対して**容積率の緩和(ボーナス)**を与える仕組みがあります。福岡市は、緩和の考え方(道路幅員などを踏まえた上限計算の考え方)や対象の考え方を公開しています。
イメージ(超簡略)
- 古いビル:敷地いっぱい・歩道が狭い・公開空地が少ない
- 建替え後:低層部のにぎわい/歩道状空地/緑化/バリアフリーなどを整える
→ その“まちへの貢献”の見返りに、床面積(容積)を増やせる
2) “デザインやまちへの貢献”も評価対象
「天神ビッグバンボーナス」には、低層部や公開空地を含めたデザイン性、周辺との連続性、緑化、ユニバーサルデザインなど、街の体験を良くする観点が明記されています。
つまり「ただ高く・大きくする」だけではなく、歩いて気持ちいい都心に寄せる設計が求められます。
何が変わる?
街の見た目・歩き心地
- 1階〜低層部が“壁”になりがちな古いオフィス街から、店舗・ロビー・広場・緑・歩道状空地が増えやすい方向へ(制度がそう誘導)
- ビルが更新されることで、耐震性・BCP(災害時に事業を続ける力)も底上げされやすい(一般に建替えで最新基準へ寄る)
働く場所(オフィス)の質
- “床を増やせる”=企業が入れる面積が増える、だけでなく、最新の設備・大きな無柱空間・高効率な防災設備など、今のオフィス需要に合う器を作りやすい
交通・混雑
- 人が増えれば当然、駅・地下街・交差点は混みやすいので、歩行者動線・公開空地・回遊性の設計が重要になります(制度上も低層部の質が重視される)
よくある誤解:天神ビッグバン=「全部を一気に再開発」?
実態は、複数の建替えが“制度”で連鎖的に起きるタイプです。
だから、街区ごと・年度ごとに段階的に変わっていきます。福岡市も、開始後の竣工棟数など“積み上げ”として示しています。
いいことばかり?
- 家賃上昇・テナント入替:新築化で賃料が上がり、昔からの店が残りにくくなることがある
- 景観の均質化:ガラス箱が増えるなど、街の個性が薄まるリスク
- 工事の連続による負担:交通・騒音・仮設動線のストレス
→ ここは制度(低層部の質・緑・公開空地・周辺との連続性)と、個別プロジェクトの設計の腕の見せ所です。
🏙️ 新しく生まれた・建設中の建物(天神ビッグバン事例)
📌 ① Tenjin Business Center(天神ビジネスセンター)



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- 概要:天神ビッグバンの初期を象徴する高機能オフィスビル。デザイン性の高いガラス外観が特徴で、天神地区の新しいシンボルのひとつとなっています。
- ポイント:
- 再開発プロジェクトの“最初の本格的な建て替え”として注目されました。
- 周辺の歴史的な街並みと新しい都市機能をつなぐ役割。
- オフィスだけでなく商業用途なども視野に入れた複合的な設計です。
📌 ② Tenjin Sumitomo Life FJ Business Center(2025年竣工)



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- 概要:2025年に開業した、新しいオフィス中心の高層ビル。天神ビッグバンで現時点(2025年)までで最も高い建物のひとつです。
- 特長:
- 約113m・24階建ての本格的なオフィスビル。
- 企業の集積やワークスペースの多様化を促進します。
- ジム・会議室・シェアスペースなど、働き方の多様性にも対応。
📌 ③ (仮称)天神1-7計画(I’M’S跡地の大型複合ビル)



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- 概要:かつての商業施設「イムズ」の跡地を活用して建設される、商業+ホテル+オフィスの複合ビルです。
- ポイント:
- 地上21階・地下4階規模で、ショップ・レストラン・ホテル(世界的ブランドの進出予定あり)・オフィス機能を持つ予定。
- 緑化や公開空地など、天神ビッグバンの「街づくり」コンセプトも反映。
- 完成は2027年中(2026→2027へ予定の変更あり)。
📌 ④ One Fukuoka Building(ワンフクオカ)

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- 概要:天神の新しいランドマークとして注目される複合ビル。2025年に開業し、天神交差点の新たな顔として街の賑わいを創出しています。
- ポイント:
- 商業・オフィス・施設機能を併せ持つ複合ビル。
- 外観やアート作品の導入など、都市空間の魅力向上にも配慮されています。
🧭 まとめ:天神ビッグバンで何が変わる?
- 古いビルから新しい建物へ順次更新され、街の高さ・機能・魅力がアップ。
- 商業・オフィス・ホテル・交流空間がミックスされた複合的な都市空間へ。
- 歩行者空間・緑化・デザイン性の高い低層部など、単なる「高層化」ではなく快適性の向上も目指されている。
📌 参考文献
以下の資料・サイトで、制度やプロジェクト全体の背景を知ることができます:
- 福岡市「福岡市『天神ビッグバン』着実に進行中!!」 公式市資料(福岡市)
- Fukuoka Now「Tenjin redevelopment images」 海外でのビッグバン最新情報(英語)
- Fukuoka Now「Fukuoka opens tallest tower」 天神ビッグバン最新ビル解説(英語)
- 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」 開発計画詳細(三菱地所)
- Tennjin Business Center Gallery & Info 福岡地所プロジェクト紹介(英語)
- 福岡市「福岡市『天神ビッグバン』着実に進行中!!(建築確認申請数・竣工棟数など)」
- 福岡市「都心部機能更新誘導方策」
- 福岡市「福岡市都心部機能更新誘導方策 取扱要領(PDF)」
- 福岡市「天神ビッグバンボーナス認定制度要綱(PDF)」
- 天神明治通り街づくり協議会(MDC)「対象エリア」

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