以下では、「なぜ岐阜市の中心部(都心)が再開発されにくく、さびれた印象が続いているのか」を段階的に・原因別に解説します。
① 岐阜市の中心部とはどこか?(前提整理)


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一般に「岐阜市中心部」と言われるのは、次の一帯です。
- 岐阜市
- 名鉄岐阜駅 周辺
- JR岐阜駅 北口周辺
- 柳ケ瀬商店街
かつては
👉「名古屋のベッドタウン」
👉「県都としての商業・行政の中心」
として非常ににぎわっていました。
② 結論を先に:再開発が進まない最大の理由
一言でいうと👇
「再開発したくても、儲かる見込みが立ちにくい」
その背景には、
人口・交通・産業・土地・行政が複雑に絡み合った構造的問題があります。
③ 理由① 人口減少と「中心部に住む人の少なさ」

● 岐阜市は人口が減っている
- 市全体で長期的な人口減少
- 特に中心市街地は
高齢化+空き地・空き家の増加
● 中心部に「住む人」が少ないと何が起きる?
- 商業施設が成立しにくい
- 夜・平日が静かになる
- デベロッパーが投資を避ける
👉 再開発は「人が住む」ことが前提
👉 岐阜市中心部はここが弱い
④ 理由② 名古屋が近すぎる問題(ストロー効果)


● 名古屋までの距離
- JRで約20分
- 名鉄でも約30分弱
● 起きていること
- 買い物 → 名古屋
- 娯楽 → 名古屋
- 仕事 → 名古屋
👉 「岐阜で完結しなくてもいい生活」
👉 中心市街地の商業が育たない
⑤ 理由③ 柳ケ瀬商店街の衰退と再生の難しさ



● 柳ケ瀬は「岐阜の顔」だった
- 映画館・百貨店・飲食街
- 若者文化の中心
● しかし現在は…
- 大型店撤退
- 空き店舗の連鎖
- 来街者の高齢化
● なぜ一気に再開発できない?
- 地権者が多く、合意形成が困難
- 建物が老朽化しているが建替え資金がない
- 一部だけ新しくしても「点」で終わる
👉 都市再生は「面」でやらないと効果が出ない
⑥ 理由④ 車社会すぎて「歩く都心」にならない


● 岐阜市は完全な車社会
- 郊外に大型ショッピングモール
- 無料駐車場が当たり前
● 都心側は?
- 駐車場が少ない・有料
- 歩いて楽しい空間が少ない
👉 「わざわざ中心部に行く理由」が弱い
⑦ 理由⑤ 再開発を引っ張る“核”がない



成功している地方都市には、次のような核があります。
- 強力な公共交通(LRTなど)
- 大学・病院・行政機能の集約
- 観光×日常利用の両立
岐阜市の場合
- LRT構想は実現せず
- 大学は郊外
- 観光(金華山・岐阜城)と都心が分断
👉 人の流れを強制的に集める装置が不足
⑧ まとめ:岐阜市中心部がさびれている構造
問題は「やる気」ではなく「構造」
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 人口 | 中心部居住者が少ない |
| 競合 | 名古屋が近すぎる |
| 商業 | 柳ケ瀬の衰退 |
| 交通 | 車社会で歩行者が少ない |
| 投資 | 採算が合いにくい |
👉 結果:再開発の決断ができない
⑨ 重要な視点(補足)
岐阜市の再生は
「東京や名古屋の真似」ではなく
- 小さくてもいい
- 岐阜らしい
- 住む+働く+学ぶを重ねる
という現実的な都市戦略が求められています。
参考文献・資料
- 岐阜市『岐阜市中心市街地活性化基本計画』
- 国土交通省『中心市街地活性化に関する事例集』
- 総務省統計局『国勢調査(岐阜市)』
- 岐阜市都市計画マスタープラン
- 角野幸博『縮小都市の再生』(学芸出版社)
- 佐藤滋『都市再生のデザイン』(鹿島出版会)

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