2026年3月28日、TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)がグランドオープンしました。
JR東日本が約20年をかけて品川車両基地跡地で進めてきた、総延床面積約84万5,000㎡の開発。2025年3月のまちびらきから1年をかけて段階的に開業し、ついに全機能が揃いました。
オフィス、商業、ホテル、住宅、そして「実験的ミュージアム」。この記事では、結局何ができたのかを街区ごとに整理します。
事業の基本情報
地図:OpenStreetMap/位置・範囲は概略です。街区配置や高輪築堤の位置は公表資料をもとにした模式表示です。情報は2026年9月時点。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 街区名 | TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ) |
| 事業名 | 品川開発プロジェクト(第Ⅰ期) |
| 所在地 | 東京都港区(高輪ゲートウェイ駅前) |
| 事業者 | JR東日本 |
| 区域 | 約9.5ha(南北約1.3km) |
| 敷地面積 | 約74,000㎡ |
| 総延床面積 | 約84万5,000㎡ |
| 構成 | 5つの建物・4つの街区 |
| コンセプト | 「Global Gateway」 |
| まちびらき | 2025年3月27日 |
| グランドオープン | 2026年3月28日 |
設計はJR東日本建築設計が代表を務める「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)設計共同企業体」。日本設計も参画し、全街区の都市計画・設計・監理に携わっています。施工は大林組、鹿島建設、フジタの3社。
デザインアーキテクトも起用されています。
| 対象 | デザインアーキテクト |
|---|---|
| 4街区のツインタワー | ピカード・チルトン(米国) |
| 2街区の文化創造棟 | 隈研吾建築都市設計事務所 |
国家戦略特別区域計画に認定された事業で、JR東日本が単独で手がける複合再開発としては初めての規模とされています。
全体の姿がこちらです。


![[B!] 本日まちびらきの「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」に行ってみた](https://travel.watch.impress.co.jp/img/trw/list/2001/666/001.jpg)
4つの街区に何ができたのか
街は1街区から4街区で構成され、それぞれ性格が違います。開業順に見ていきましょう。
| 街区 | 建物 | 開業 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 4街区 | THE LINKPILLAR 1 NORTH / SOUTH | 2025年3月27日 | オフィス、商業、ホテル、MICE |
| 3街区 | THE LINKPILLAR 2 | 2026年3月28日 | オフィス、商業、エネルギーセンター |
| 2街区 | MoN Takanawa: The Museum of Narratives | 2026年3月28日 | 文化創造発信施設 |
| 1街区 | TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE | 2026年3月 | 住宅(地上44階・高さ約172m) |
開業は3段階で進みました。
- 2025年3月27日:まちびらき。THE LINKPILLAR 1が開業し、高輪ゲートウェイ駅が全面開業。MICE施設も同時オープン
- 2025年9月:THE LINKPILLAR 1内のニュウマン高輪とホテルが全面オープン
- 2026年3月28日:THE LINKPILLAR 2、MoN Takanawa、住宅棟が開業しグランドオープン
まちびらきから1年かけて完成させた形です。
①商業:ルミネ史上最大規模「ニュウマン高輪」
商業施設の中核が「NEWoMan TAKANAWA(ニュウマン高輪)」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 延床面積 | 約60,000㎡(ルミネ史上最大規模) |
| 展開街区 | 3街区と4街区 |
| 先行開業 | 2025年3月27日にブルーボトルコーヒー、ニコライ バーグマンの2店舗 |
| 全面オープン | 2025年9月 |
そして2026年3月28日、THE LINKPILLAR 2の低層部に新エリア「MIMURE(ミムレ)」が開業しました。ニュウマン高輪のコンセプトエリアという位置づけです。
MIMUREの見どころとして、2階ワンフロアを京都創業の老舗ロースタリー・小川珈琲の新業態「OGAWA COFFEE LABORATORY 高輪」が大きく展開していることが挙げられています。
ルミネが史上最大の店舗を高輪に出した——この判断自体が、このエリアへの期待の大きさを示しています。
②文化:実験的ミュージアム「MoN Takanawa」
グランドオープンで最も注目されたのが、2街区のMoN Takanawa: The Museum of Narrativesです。
外装デザインは隈研吾建築都市設計事務所。「光と緑があふれる」建物で、木と緑を用いた最先端の建築として評価されています。
施設の構成が異例です。
| 空間 | 規模・内容 |
|---|---|
| 展示空間 | 約1,500㎡ |
| シアター空間 | 約1,200席 |
| 畳空間 | 約100畳(靴を脱いでくつろげる) |
| テラス | 3つ(足湯や月見・花見を楽しめる) |
| ラボ | ワークショップ開催 |
| その他 | 飲食店、自由に過ごせるパブリックスペース |
| 規模 | 地上6階〜地下3階+屋上 |
約100畳の畳空間と足湯があるミュージアム。これは従来の美術館・博物館の定義から外れています。
展開されるプログラムは、伝統芸能、マンガ・アニメ、音楽、食などの日本文化に最新テクノロジーを掛け合わせた内容。「100年先へ文化をつなぐ」ことを掲げる「実験的ミュージアム」という自己定義です。
名称の「MoN」には、「門(もん)」=ゲートの意味が込められています。
MoN Takanawaの建築と内部がこちらです。


③MICE・ホテル・オフィス
MICE施設
まちびらき当日の2025年3月27日、駅直結・都心最大級のMICE施設「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」がオープンしました。コンベンションホールを備えた国際交流拠点としての機能を担います。
ホテル
THE LINKPILLAR 1内に整備され、2025年9月に全面オープンしています。
オフィス
THE LINKPILLAR 1・2に配置され、インキュベーション施設も併設されています。国内外から先進的な企業と人材が集い、多様な交流から新たなビジネス・文化が生まれるまちづくりを目指すという方針です。
住宅
1街区のTAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCEは地上44階・高さ約172m。プレミアムレジデンスとして位置づけられています。
④歴史:国史跡「高輪築堤」の保存
このプロジェクトを特別なものにしているのが高輪築堤です。
2020年、この再開発エリアで明治初期の鉄道遺構が出土しました。1872年の日本初の鉄道開業時、海上に線路を通すために築かれた堤です。
その歴史的価値により国史跡に指定され、保存が決定しました。影響は設計にまで及びました。
- 高輪築堤の保存のため、複合棟Ⅱ(THE LINKPILLAR 2)の建物位置が変更
- 第7橋梁部および公園部を現地保存・公開(2027年度予定)
- 信号機土台部を移築保存・公開
日本設計はこれを「国史跡指定された高輪築堤を生かしたまちづくりは世界に類を見ない開発」と表現しています。
150年前の鉄道遺構のために、超高層ビルの位置を動かした——これは日本の再開発では稀な判断です。2027年度には、当時の風景を体感できる形で公開される予定です。
⑤「実験場」としての街
JR東日本はこの街を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけています。実装される技術も具体的です。
- 自動運転バス(期間限定で無料体験も実施)
- Suicaを活用した次世代医療
- AIや都市OSを活用したデータ駆動型のまちづくり
- エネルギーセンター(THE LINKPILLAR 2が保有)
また歩行者ネットワークも徹底されています。各街区の間の道路上にデッキ状の通路を配置するなどして、街全体で歩行者動線を連結。駅と街がシームレスにつながる構成です。
「広域品川圏」の始動
グランドオープンの日には、もう一つ重要な動きがありました。
同日、JR大井町駅直結の複合施設「OIMACHI TRACKS」も開業。これにより、大井町駅から浜松町駅まで展開する「広域品川圏(Greater Shinagawa)」の共創まちづくりが本格始動したとされています。
つまりTAKANAWA GATEWAY CITYは単独の施設ではなく、JR東日本による品川周辺の広域戦略の中核という位置づけです。
まとめ:何ができたのか
- 約9.5ha・南北約1.3km、総延床約84万5,000㎡の4街区5棟
- 4街区 THE LINKPILLAR 1(2025年3月):オフィス・商業・ホテル・MICE
- 3街区 THE LINKPILLAR 2(2026年3月):オフィス・商業「MIMURE」・エネルギーセンター
- 2街区 MoN Takanawa(2026年3月):隈研吾デザイン、約1,200席シアター・約100畳の畳空間・足湯
- 1街区 RESIDENCE(2026年3月):地上44階・約172mのプレミアム賃貸
- ニュウマン高輪(約60,000㎡)はルミネ史上最大規模
- 国史跡・高輪築堤の保存のためビル位置を変更、2027年度に公開予定
- 自動運転バス、都市OS、次世代医療などの「実験場」
- 同日開業のOIMACHI TRACKSとともに「広域品川圏」が始動
このプロジェクトの面白さは、商業施設としての完成度と、実験場としての未完成さが同居している点だと思います。
ニュウマン高輪は完成した商業施設ですが、MoN Takanawaは「実験的ミュージアム」を名乗り、街全体は「100年先のための実験場」を掲げる。高輪築堤の公開も2027年度でまだ先です。
グランドオープンしたけれど、この街はまだ完成していない。そう捉えるのが正しいプロジェクトです。
よくある質問
Q. TAKANAWA GATEWAY CITYはいつ開業した?
2025年3月27日にまちびらきし、2026年3月28日にグランドオープンしました。2025年9月にはニュウマン高輪とホテルが全面オープンしています。
Q. どんな施設がある?
オフィス、商業施設「ニュウマン高輪」「MIMURE」、ホテル、MICE施設、文化創造施設「MoN Takanawa」、賃貸住宅「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」などです。
Q. MoN Takanawaとは?
2街区の文化創造発信施設で、2026年3月28日に開館した「実験的ミュージアム」です。約1,500㎡の展示空間、約1,200席のシアター、約100畳の畳空間、足湯のあるテラスなどを備えます。外装デザインは隈研吾建築都市設計事務所。
Q. 高輪築堤は見られる?
国史跡に指定された第7橋梁部および公園部の現地保存・公開は2027年度予定です。信号機土台部も移築保存・公開されます。
Q. アクセスは?
JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」に直結しています。同駅は2025年3月27日に全面開業しました。


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